タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪狭い庭に山の樹木を植えるべからず≫

P1120173 ウェッブの相談ブログに、ときどき「庭にカツラを植えたい」という相談があり、植栽を勧める回答が載るが、カツラの生育の実態を知らない無責任な回答だと私は苦々しく思っている。60~100坪くらいの宅地に住宅を建て、残りのわずかなスペースに山の樹木を植えてはならない。
 園芸店で販売されているカツラの幼苗は、ハート型の丸い葉と繊細な枝ぶりが魅力的だが、剪定と葉刈りを小まめに行う覚悟がなければ庭に植えるべきではない。写真上段は、築18年の住宅の庭に15年前に植えられた、高さ1㍍のカツラ・エゾヤマザクラ・イタヤカエデが手入れも何もなされず4㍍にも生育した現況である。
P1120177_2P1120170_2 手入れをしないで放置された樹齢20年と思しき庭植えカツラ(写真中段<左>=写真上段の左端の樹)と、私が実生ポット苗を小鉢に植え、21年間、丹精込めて剪定・葉刈り・植え替えを重ねた樹高25㌢のカツラ(写真中段<右>)を比較してもらいたい。生半可な気持ちでカツラを庭に植えると手に負えなくなる。玄関先にカツラを、と相談を受けたら、私は遠慮なく「無理でしょう」と答える。
P1110607 別の家(写真下段)では、狭いベランダ前の庭がノムラカエデ・イタヤカエデ・エゾヤマザクラに占拠され、もはや手の施しようがない。ノムラカエデとイタヤカエデは、ある程度剪定で樹形を調えることができるが、ノムラカエデはヤマモミジの系統と比べて剪定に弱く、小枝の繊細な芸を出すのは無理である。
 好事家の間で俗に「サクラ切る馬鹿ウメ切らぬ馬鹿」といわれるとおり、エゾヤマザクラは剪定が困難である。植えたらどこまでも伸びほうだいと相成る。

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