十一月十日午前、朝鮮半島西方の大青島近海で、北朝鮮警備艇が韓国海軍高速艇の警告を無視し北方限界線を超えて南進、領海を侵犯したため、一時的銃撃戦(現場付近の地図は、11月11日付『讀賣新聞』第7面から一部を転写)が発生した。
南北交戦は偶発的なものではない。オバマ米大統領のアジア諸国歴訪直前をねらって、朝鮮半島の軍事的不安定さを際だたせ、十二月初旬に予定される米朝直接協議を有利に進めようという北朝鮮の魂胆が丸見えである。いつも見慣れたサネ‥‥いや、将軍様の手口だ。 北朝鮮人民軍最高司令部では、「韓国海軍の艦艇が『われわれ側の水域で武装挑発行為を強行した』と非難」(11日付『北海道新聞』第7面)し、韓国側に謝罪を要求したというが、自ら先に攻撃を加えておきながら、鉄面皮もいいかげんにせよ。
深刻な食糧危機に追い込まれ、国連の経済制裁に対する強硬姿勢を転換せざるを得なくなった国家元首(金正日が温家宝と握手する写真は、10月6日付『北海道新聞』夕刊・第5面から転写)が、一方で、訪朝中の温家宝・中華人民共和国首相に「米日韓との関係改善」を伝えて右手を差し出しておきながら、他方で、左手で南北交戦(北朝鮮警備艇と交戦した韓国海軍高速艇と同型艇の写真は、前掲『讀賣新聞』から転写)を指示するような国家は真っ当とはいえない。ならず者国家とみなす所以である。
北朝鮮が、事あるごとに相手国の信義を傷つける挑発行為を行ってきたことは紛れもない事実である。いつまでその手法が通じるか、北朝鮮も中華人民共和国も気づいてよさそうなものだが・・・金王朝の崩壊を待つしかないか。
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