十一月十四日に発表した平成二十年九月中間連結決算で、赤字(三期連続)を計上した札幌北洋HD(右の写真は、傘下の北洋銀行釧路中央支店)は、来年三月期連結決算の業績予想に関し、「二百七十五億円の赤字になる」(11月15日付『北海道新聞』第2面〈総合〉)とし、「財務体質強化のため道内の複数有力信用金庫に対して出資を持ちかけている」(同日付『讀賣新聞』第35面〈道総合〉)という。いわゆる<劣後ローン>の引き受け依頼である。
ほくほくGFが、減益とはなったものの、経常利益を確保(北海道銀行単体でも)し、通期で黒字を確保出来る理由は、「国債や地方債といった比較的リスクの低い有価証券を多く保有・運用したため」(前掲新聞)であり、札幌北洋HDの通期赤字転落については、上層部の経営責任が問われるだろう。
記者会見で菊地豊彦専務(記者会見の写真は、同日付『北海道新聞』第8面〈経済〉から転写、北洋銀行本店の写真は、HP<日経ナビから転載)は、「『合併効果を早期に発揮し、収益体質の回復を図りたい』とし、北洋銀と旧札幌銀との店舗統廃合を半年前倒しして一〇年六月までに終えるなどで経営効率化を急ぐ考えを強調した」(前掲『北海道新聞』)が、取引先中小企業の間では、大型投資の見直しだけでなく、通常の融資も厳格になるのではないかという懸念が広がっている。
北洋銀行に○○○○を握られている企業は気が気でないだろうが、「背に腹は代えられぬ」というではないか、査定が厳しくなることは間違いない。
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