東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市で、四月から医師としてボランティア活動を行ってきた、ボランティア団体「WF(ワールドフュージョン)代表の「米田きよし」なる人物に関して、医師法違反(無資格医業)の疑いで宮城県警が捜査を開始した。
同「医師」は、石巻市災害ボランティアセンターのもとで、「市内の石巻専修大敷地内のテントに診察スペースを設け、けがをしたボランティアたちの治療」(8月13日付『讀賣新聞』第34面)を行ってきたという。 問題の人物を紙上に初めて取り上げた『朝日新聞』(8月10日付・第2面。朝日新聞社東京本社=写真<右>は『ウィキペディア』から転載、読売新聞社=写真<左>も同様)は、「ひと」欄で「被災地で『ボランティアの専属医』を務める米田きよしさん」と紹介している。石巻市災害ボランティアセンターのもとでの活動なので、この時点で記者には医師免許の有無の確認は念頭になかっただろう。記事を掲載後、社外から情報が寄せられ、お詫び記事の発表(8月12日付・同新聞・第30面)に至るが、過去に何度も大きな誤報・捏造記事で世間を騒がせてきた朝日新聞だから、この程度で驚くこともないし、また、やむを得ないとも言える。問題は、石巻市災害ボランティアセンターの杜撰な確認だろう。
8月13日付の『讀賣新聞』掲載の後記事は笑止である。どのような報道メディアでも誤報はつきもので、写真上段のような「紙面で紹介、朝日おわび」は、格式の高い新聞が掲載する記事ではない。「おわび・記事削除」は当然のことであって、これに対して傷口に塩を塗るような意地の悪い記事は『讀賣新聞』の品格を傷つける。
最近の「政治経済」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事