トヨタが十二月十三日に下期赤字転落(通期では黒字予想)を発表した四日後の十七日、ホンダ(本社の写真は、『ウィキペディア』から転載)が、七月と十月に続いて三度目の〇九年三月期連結決算予想下方修正を行った。
世界的な新車販売落ち込みと為替差損により、「下期(08年10月~09年3月)の営業損益は、上期の黒字(3701億円)から急速に悪化し、1900億円の赤字」(12月18日付『毎日新聞』第2面〈総合〉)に転落する見通しである。
十二月四日に、自ら車の脇に立ち、誇らしげに主力車種アコードのフルモデルチェンジ(八代目)を発表した福井威夫社長(写真は、12月5日付『讀賣新聞』第8面〈経済〉から転写)は、その二週間後に、「急激な環境の変化が収益に与える影響を最小限にする」(12月18日付『朝日新聞』第11面〈経済〉)ために、大幅なリストラ策(リストラ内容一覧は、同新聞から転写)を講じることになるとは予想だにしなかっただろう。ホンダは、アコードで利益を上げられるかどうか。
リストラと同時に、商品開発計画の見直しも俎上に上り、「中大型車はディーゼル」という戦略を、ハイブリッド車(HV)開発に一転させた。
しかし、ハイブリッド車開発ではるかに先を行くトヨタでさえ、〇九年三月期連結決算で通期赤字転落となる危機的状況の中で、環境対応後発のホンダが慌てて戦略転換を宣言しても、成功は覚束ないのではないかと私は判断している。
世界の経済・産業構造にコペルニクス的大転換でもない限り、自動車産業は、急坂を転げ落ちるごとく衰退する可能性がある。
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