タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪『釧路新聞』<巷論> (08年12月26日) ≫

P1000950 べつに<巷論>の特定の執筆者に恨みがあるわけではない。十二月六日の「各国の指導者の力量」について、十二月八日投稿のブログで、「表現が稚拙散漫で論旨の展開もヘチマもない。とうてい<論>とはいえない代物である」と論評したが、十二月二十六日の「賢者からの贈り物」も、前回同様、あまりにも表現や構成が稚拙であり、このような「アッと驚く為五郎」の駄文を<巷論>として掲載する釧路新聞社の見識を疑いたいたくなる。
 <巷論>と銘打っているからには、読者は、<読者の広場>や<番茶の味>などとは異なり、新聞社の矜持を示すに足るレベルの持論を期待する。自己顕示欲の強い「さもしい」駄文が釧路新聞社という活字メディアの存在を「貶(おとし)める」ことを、編集部は知らぬでもあるまい。
P1000671_2 漢字誤読で国語力不足を揶揄された麻生首相(写真は、9月23日付『讀賣新聞』第1面から一部を転写)でも、「本来使わねばならない予算不足問題が山積する中、”景気浮揚のため” と定額給付金を慌ててばらまこうとする麻生さん」と書かれて、「はて、『本来使わねばならない予算不足問題』とは何のこと」と首を捻らざるを得ないだろう。
 揚げ足を取るのが本意ではないので一々指摘しないが、財布を化粧室に置き忘れた女性の件(くだり)の、「ニッコリと、プリンス側は『これですか』と私が見付けたことを聞き、そこでお茶を飲んでいた。わたしに『何かお礼を』で、わたしは『風邪をひいたらうちの病院にどうぞ』と格好よかったつもりだが、そんな格好は無用。良心、善意というネットワークは、どっこい崩壊していないことを、痛感し始めた」という箇所に、「な、なんだ、この文章は」と驚く麻生首相の顔が目に浮かぶ。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「学芸文化」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事