朝食後に居間で寛いでいると、淡雪を被ったイチイの樹冠でオオカワラヒワが一羽、黙然と物思いにふける姿が目に入った。
「あれれっ、ヒワくん、山に戻ったんじゃなかったのかい」「あ、爺さん、雪降ったし、まだ動けないでいます」
「うむ、低気圧の通過で冬に逆戻りだからな」
「暖かくなるまで、もう少し待とうかと … 」
「そうしな、山はまだ寒いし、食い物も少ないぞ」
「ぶるっ、ぶるる」
「ほれっ、クロヒマワリの種、食べな」
朝食後に居間で寛いでいると、淡雪を被ったイチイの樹冠でオオカワラヒワが一羽、黙然と物思いにふける姿が目に入った。
「あれれっ、ヒワくん、山に戻ったんじゃなかったのかい」