国政選挙であれ地方自治体首長あるいは議員の選挙であれ、投票日の前に、有権者に予断を与え投票を誘導する可能性を持つ調査結果(選挙の情勢を示す大見出し=写真上段は、6月26日付『讀賣新聞』第1面から転写)を、報道メディアが競って公表することに、私は常に反対の立場を取ってきた。
ま、読売新聞社が25~27日に実施した調査による内閣支持率グラフ(写真中段<右>は、6月28日付、同新聞・第1面から転写)程度なら毒にも薬にもならないから許容できるが、共同通信社が19・20日に行ったトレンド調査(6月22日付『北海道新聞』第2面から転写)の「投票先」表示は余計なお世話である。『讀賣新聞』も投票先を解説しているが、文章と一覧表とでは目立つ度合いが大きく異なる。
ご丁寧なことに、共同通信社が24~26日に実施した調査(写真下段<左>は、6月27日付『北海道新聞』第1面から転写)と読売新聞社が24・25日に実施した調査(写真下段<右>は、6月26日付『讀賣新聞』第1面から転写)は各党の具体的な議席獲得数を予想している。この数字が、調査時点で投票先を決めていない約五割の有権者の動向に影響を与えることは十分考えられ、各メディアの扱い方によっては、選挙の帰趨を変えないとはいえない。口先だけで綺麗事を主張するメディアに猛省を促したい。
競馬の予想屋じゃあるまいし、投票日以前に当落を予想するような行為は避けるべきである。報道メディアの任務は、選挙前の政治を的確に検証し、与野党及び各候補者が説く政策を吟味評価し、有権者に公平な情報を提供することにある。
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