昭和四十四年の創刊号から四十年も購読し続けた、保守派のオピニオン雑誌『諸君!』の最終号と、巻頭のコラム「紳士と淑女」の最新縮刷版『完本 紳士と淑女 1980ー2009』文春新書716(文藝春秋)の二冊をデスクに置いて、私は、このブログ記事を書いている。
『諸君!』の最終号で、コラムの筆者であることを明かした徳岡孝夫は、昨年八月末に行われた衆院選の半年も前に、小沢一郎の正体と鳩山由紀夫との関係を、『完本 紳士と淑女 1980ー2009』の「まえがき」で的確に示してくれた。この文春新書の読者は限られているだろう。少し長いがさわりを引き、人目に付く手助けをしたい。
「民主党の全党員から絶対君主のように崇拝されていた小沢一郎が、秘書の不用意なミスを検察に見咎められ、連れていかれた。小沢の口からは『検察の横暴だ』『日本は警察国家か』という怒りのセリフが出かかったようだが、さすがに思いとどまり、そのかわり『秘書の犯罪』については一言の説明も弁明もせず、やがて検察に仕返しできる日の到来を待っている」
「旭日昇天の小沢には当分『秘書の犯罪』という疵がついた。小沢は党代表のポストから降り、総選挙に専念することになった。新聞はそれを降格人事のように書いたが、とんでもない。小沢は党代表なんぞには何の未練もない。─中略─ 代表なんぞ鳩山由紀夫にくれてやればいい。人形より人形遣いの方がずっと面白い。小沢は望むポストを手に入れた」
深沢の小沢邸で元日に行われた得意絶頂の新年会では、百六十六人もの国会議員が初詣でしたという。小沢(新年会での写真は、〈MSN産経ニュース 10.1.1.16:54〉から転載)が、数を頼りに内閣を操る「闇の傀儡師」たる所以である。しかし、やがて新たな疵(きず)が小沢自身にも付く。絶頂の後は下るしかないことに気づかないか?
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