タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪正月の雪中ロッケリー(10年)≫

P1070778 あまり馴染みのない用語だが、ロッケリーとは本来ロックガーデンと同義で、『リーダーズ英和辞典』第2版第4刷(研究社)には、「ROCK GARDEN;?石庭用に配置された?岩と土」と両語義が記されている。一般的にはミニ・ロックガーデンと解する向きが多い。
 一昨年亡くなった母は、昭和六十三年に田舎家から釧路に越してくるに当たって、庭に石山の場所を、というのが望みの一つだった。私が敷地南東側の地下車庫上に土を盛り、周囲の石組みを整えて以来、二十年にわたって、小山に石を配置しては動かし高山植物を植えては場所を変え、石と花とオンコの剪定を楽しんで生涯を終えた。
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 雪の少ない釧路だが、珍しく今年の正月のロッケリーは雪に埋まっている。晩年の母は寄る年波に勝てず手入れが行き届かなかった。私がロッケリー改造用に少しずつ買い集めた山石も、エゾシャクナゲやベニシタンも僅かに顔をのぞかせるだけだが、街路樹のナナカマドにはツグミが群がり始めた。まもなく、ウソ、ヒヨドリ、キレンジャク、シメたちが争って実をついばみ、木の下が食べかすで赤く染まる。
 ナナカマドの実を食べ尽くすと、どのようにして知るのか不思議だが、この小さなベニシタンの実を食べにツグミが姿を現す。ケッ、ケケケッという鳴き声が聞こえ外に出ると、気配を察して素早く移動するので、庭では撮影が難しい。

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