<ピンセットでダリア花壇の除草を行うタック爺>
ミニ・熊手で野菜畑の地面をかっちゃき、ゴム手袋をはめた手で雑草をむしり取る女房は、ちらっと私を見、無言で側を通り過ぎる。ピンセットで摘まんで草取りをするのは、やっぱり偏執狂かも。生まれつき、几帳面で些事にこだわり、自我に固執し、ひとり居の孤独を好む質だったのだから、いまさら変わりようもない。丹精込めて育てているダリアの根を傷めないように、小さな雑草を一本一本そっと抜く。根気の要る、辛い姿勢の作業だが、嫌気がさすことはない。
しかし、一日がかりの作業で、6株のダリアの周囲をきれいに片付け満足感に浸るも、ひどく腰が痛む。誰のせいでもないから、我慢するしかない。ひたすらダリアの開花を楽しみに待つのみ。