毎年十二月に行われる、北海道教育大学釧路校書道研究室の白珪展(12月17日~20日)の案内ハガキが来たので、十八日午後から女房と二人で鑑賞に出かけた。大作がずらりと並び、それぞれに制作者のコメントが添えられ、制作の意図が分かって大変興味深かった。個人的には隷書体の臨書に期待していたが、今年の隷書の作品は概して私の好みに合わず、とりわけ乙瑛碑の臨書には残念ながら共感を覚えられなかった。
個人的偏見から私が選んだ作品四点の写真は、左から、中村純平氏の<臨 韓仁銘>、大沼 廉氏の<臨 史晨碑>、小林果歩氏の<臨 曹全碑>、中村純平氏の<題字創作『萬物不如酒』。
今回の白珪展では、中村純平氏の作品が、臨書も題字創作も、文字にバランスよく力がみなぎり、「成長の跡」が際立つ出色の出来を示している。小林果歩氏の<臨 曹全碑>は、本人が「まだまだ」というとおりで、今後「かわいらしさ」ではなく悠揚迫らぬ大らかさの中で一文字一文字に厳しい緻密さを求めてもらいたい。
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