平成15年11月場所を最後に横綱・武蔵丸が引退して以来、朝青龍が一人横綱を長く務めてきたが、白鳳が横綱に推挙され、平成19年9月場所から東西二横綱が揃ったことは、大相撲協会にとって喜ばしい限りだったろう。不祥事による朝青龍の二場所出場停止処分が解け、平成20年1月場所は、東西横綱の激突で盛り上がった。 手数入りも、朝青龍が雲竜型、白鳳が不知火型と二型が揃い、両者ともよく足が上がった力強い四股を踏む。足首が直角に曲がり足裏が見える難点はあるが、第58代横綱・千代の富士のように足が高々と上がり、足首もすらりと伸びる四股は、歴代の横綱の中で極めて稀であって、足首の曲がりは欠点とみなすに及ばない。
私が横綱の手数入りの四股として最も好むのは、第40代横綱・東富士である。総体的に美しく均整が取れ、上体が前屈みにならず、横への傾きも少ない。足の上がり方に無理がなく、足首の伸びも申し分がない。力みのない実に堂々とした四股である。朝青龍と白鳳の二人には、東富士の四股を模範にしてもらいたいと思うが、如何であろうか。
<上の写真は、平成20年1月8日付『読売新聞』第19面〈スポーツ〉から、
下は、高橋義孝/監修『相撲/焼土の秋場所から新国技館』(ベースボール・マ ガジン社)から転写>
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