タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 若麒麟、大麻事件で解雇 ≫

Photo 大相撲尾車部屋の十両力士・若麒麟が、大麻取締法違反容疑で神奈川県警に現行犯逮捕されたのは一月三十日だった。昨年、ロシア人力士三人が大麻で解雇され、北の湖・前理事長が引責辞任したばかりの相撲界では、衝撃と同時に、氷山の一角ではとの不安が広がった。
 若麒麟は、大麻使用に関する疑惑の力士で、昨年九月の尿検査で疑わしい結果が出たため、検査を繰り返し三度目で陰性と判定されたが、「現場にいた検討委員会の親方から、検査を途中で打ち切り、うやむやのまま若麒麟容疑者を帰したと聞いている」(1月31日付『北海道新聞』夕刊・第11面)と証言する関係者もいる。
Photo_2Photo_3 もしそうだとすれば、昨年の再発防止検討委員会のあやふやな措置が、結果として、協会の対応を甘く見る若麒麟(顔写真、1月場所10日目・山本山との対戦の写真は、いずれも09年1月30日のasahi.comネットニュースから転載)の意識を増長させたともいえる。
 若麒麟は、結局、二月二日午前、両国国技館で開かれた理事会で解雇処分が決まったが、協会役員については、師匠の尾車親方が「委員」から「年寄」に二階級格下げされただけで、理事長を含めて何の処分もなかった。
 記者会見(写真は、09年2月2日13時の<IBTimes>ネットニュースから転載)で、武蔵川理事長は、「除名を求める声もあったが、若麒麟はまだ若く、第二の人生もある。除名はかわいそうだということで、解雇に決まった」(2月3日付『讀賣新聞』第35面〈社会〉)と述べるに止め、そそくさと席を立った。
 ま、理事・役員とはいっても、危機管理能力のない親方衆に、この決定以上を求めるのは無理だろう。悪質ではあるが、養老金(退職金)を支払わせないための<除名>主張は論外である。早急に規定改定を行わなかった理事会の責任をこそ問うべきである。

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