タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ シャクヤクとアリウム ≫

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 このシャクヤクは、老母が旧宅から持ってきた二株(もう一株は白色、今年は開花が逆転)の一つで、理由は分からないが、母が10年前に捨てるというのを、私がもらい受けたものである。11月中旬になって、表土が一寸ほど凍ってからの植え替えで、翌春の生育を危惧したが、無事生きながらえたことを喜んだ記憶が脳裏に残っている。
 母は、花好きでよく庭の手入れをしたが、どこか非情なところがあり、開花中の花株を植え替えたり、気に入らない小苗木を捨てたりすることがあったので、私は、そのたびに悲しい思いをした。しかし、生命あるものを捨てるという点では、私も、ニホンサクラソウの鉢植えを長年やってきて、良芽を育てる・品種の混同を避ける・鑑賞の形を整える、といった、勝手な作法なるものに従って、三芽以外をすべて捨ててきたので、偉そうなことは言えないが、母の場合とは根本的な違いがあると思っている。
P1010277  昨年秋に車庫を造ったとき、あわやユンボで掘り取られる寸前に、女房に救い出され、クロフネツツジの横に植えてもらったアリウムも、シャクヤクと同時に黄色の花を咲かせ、「オッ、おまえ、よかったな」と声をかけると、たまたま花が風に揺らぎ、礼をしているように思えた。ま、人間の勝手な思い入れでしかないのだが。
 シャクヤクの方は、一昨年から急に生育が思わしくなくなり、昨年秋に現在の場所に植え替えて、肥料も十分与えたので、何とか持ち直したようである。 

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