九月二日、順風満帆で船出した野田ドジョウ内閣が、一週間でもう閣僚の失言続きでアップアップしている。組閣後、記念写真の撮影に向かう笑顔の野田首相(写真は、9月3日付『讀賣新聞』第39面から転写)は自信たっぷりに見えるが、内実は、あっちにも、こっちにも、そっちにも気配りしすぎて、力強い統率力に欠ける。「ドジョウはドジョウなりに」は「ドジョウは所詮ドジョウ」になりかねない高い可能性をはらんでいる。
混ぜ合わせ人事で党内融和が成るほど主流派・反主流派の亀裂は浅いものではない。混ぜ合わせの反動で、閣僚の顔ぶれは適材適所とはお世辞にも言い難い。
私は根っからの保守派なので、民主党員はみな好きでないが、とりわけ、衆議院北海道4区選出の鉢呂吉雄の顔(写真は、同新聞・第35面から転写)を見ると虫ずが走る。下卑た人品骨柄、労組活動家上がりの硬直した言辞、選挙上手で当選回数は多いが未知数の大臣としての力量。
やはりというべきか、原子力政策担当の大臣が、被災地に戻りたいと願う人たちの心を逆撫でする「死の町」発言、今どき小学生でもするのを憚る「放射能をうつしてやる」仕草とは、経済産業大臣としての資質が疑われる。完全に原子力発電所をなくすそうだが、代替電力を得る見通しは立っているのだろうな。言うは易く行うは難しだぞ。「鉢呂氏入閣」(9月4日付『北海道新聞』第3面)を首相に勧めたのは岡田氏だそうだが、理由は衆院選初当選同期だからだと。政府内では辞任論が強まっている(9月10日付・同新聞・第1面参照)というから、岡田氏は、今度は同期のよしみで、自ら身を引くことを勧めたらどうか。鉢呂経済産業大臣発言は、小宮山厚生労働大臣の「たばこ税」発言や玄葉外務大臣の所管外発言と比べて各段に重いのではないか。
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