2月22日付『釧路新聞』第3面の「巷論」だから、すでに賞味期限済みのテーマだが、日本国内が東京電力福島原発問題で揺れている今、単純な「技術や科学力」崇拝の愚を俎上に載せてみたい。
〈宇宙には、技術や科学力があれば、国境はない〉(アホか)
私たちが住む地球上で、これまで、特定の国家権力の占有が及ばなかった北極海や南極大陸が、今や資源の利権争いの対象となり、さらに、事は宇宙空間にまで及んでいることは否定しがたい現実である。「技術や科学力」が、占有権のなかったスペースに国境を形作るのは絵空事ではなく、ノーテンキな極楽トンボの出る幕はない。〈中国、「宇宙軍」創設へ本格準備〉
〈「制天権」確保が狙い〉
〈空軍主導で兵士養成〉(ホンキだ)
宇宙空間にロケットを発射し予定の軌道に乗せる技術を持つ国家のうち、米露はすでに宇宙軍を創設し、宇宙軍事戦略を進めている。中華人民共和国も、科学技術の平和利用を表看板に掲げながら、「制天権」確保を目標とする軍事利用(08年9月25日に打ち上げられた有人宇宙船「神舟7号」=写真下段は、10年6月16日付『北海道新聞』第5面から転写)を隠そうとはしない。太陽系内の惑星やその衛星に存在する資源の確保、敵のミサイル攻撃防御や戦略核兵器使用などのための衛星情報システムの確立は、万が一の宇宙戦争を想定してのことである。
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