以前より・・・ガソリンエンジンのキャブ調整が巧く出来ないとか、失敗してエンジンが焼き付いた・・・
と、言う様な話を聞く事が多い。
又、中には・・・ガソリンエンジンのキャブ調整など、一年中調整する必要が無い・・・
などと、話しているのも・・・良く聞く話である。
本当に、一度キャブ調整をすれば・・・再調整の必要は無いのだろうか?
果たして・・・本当にそうなのだろうか?
そもそも・・・どの様な理屈で、エンジンが快適に運転するのだろうか?
一体・・・どうすれば上手にキャブ調整が出来るのだろうか?
その辺を、少し考えてみたいと思う。
そもそも・・・ガソリン2サイクルエンジンを運転する為に我々が用意するモノは、
混合油(ガソリンと2サイクルオイル)と、プラグのスパーク(火花)である。
勿論・・・プラグのスパークは、点火タイミングが適切に調整されていなければ、
エンジンが始動しない事は言うまでもない。
通常、我々がヘリを飛行させる時(ガソリンエンジンを始動する時)に用意する物と言えば・・・
上記に掲げたモノが一般的だと思う。
中には・・・スターター・・・なんて人もいるのかな?
しかし・・・たとえ狂った様にスターターを回し続けても、これだけでは絶対に
エンジンは始動しないのである。
エンジンを始動させる為には・・・もう一つ、非常に重要なモノがある。
その非常に重要なモノとは・・・自分で用意する必要は全くない。
通常は、その質こそ違えど・・・何処にでもあるモノ・・・。
それは何かと言えば・・・空気である。
そんな事、当たり前じゃないか・・・バカバカしいと、言われそうだが・・・。
自分で用意した混合ガソリンは・・・多分・・・何時も同じクオリティー(混合比率)だと思う。
もし、混合ガソリンを作る時、何となくガソリンにオイルを混ぜている人がいたら・・・それを改め
最低でも、正確な混合比で燃料を作るべきである。
その理由は・・・オイルの含有量次第でも、キャブ調整が変化する為だ。
ただでさえ・・・気圧の変化でエンジンの調子が変わってしまうのに、その上
オイルの含有率迄変化してしまうと更に、事を難しくしてしまう為だ。
話を元に戻して・・・
常に全てが同じ条件で有れば・・・一度最適に調整されたキャブの調整など・・・必要無い。
その状況下では・・・ある一定期間に限り、エンジンは常に快適に運転するだろう。
そうだとすれば・・・・キャブ調整の必要など・・・無いと言う事じゃないか?と、言う事になる。
ところが・・・自然界では・・・そうは、問屋が卸さないのである。
エンジンが快適に運転する為には、混合ガソリン+プラグの火花+空気が必要な事は、
上記で説明した。
この中で・・・常にその品質が一定に保たれているモノは何かと言えば・・・
混合ガソリン+プラグの火花である。
唯一・・・環境の変化に伴って、その品質が常に変化するのが・・・空気と言う事になる。
因って・・・3大要素が変化しなければ、キャブ調整の必要など無いのだが・・・
その内の一つでも変化すれば・・・
当然、キャブ調整を行う必要が有ると言う事なのだ。
では・・・実際には、空気がどの様にエンジンの燃焼に影響を与えているのだろうか?
空気には・・・密度がある。
その基準となる密度(気圧)が、標準大気=1013ヘクトパスカルである。
この気圧の変化に因って・・・空気密度が変化する。
その上・・・温度変化でも気圧は変化するので・・・更に事を難しくしている様に思える。
ガソリンエンジンが快適に運転出来る為には、混合気と空気の比率が最適に保たれている必要がある。
理論的にも・・・この比率が決められている。
これを・・・理論空燃比と言う。
実際の比率は・・・多少異なる様だが・・・理論上の空燃比は、15(空気):1(混合気)である。
理論上は・・・上記の比率で、エンジンは完全燃焼する。
ところが・・・我々が使用している自然吸気のキャブレターでは、気圧の変化(標高変化を含む)と共に、
この空燃比の比率が崩れてしまう。
従って、この空気密度の変化は・・・自然吸気エンジンの運転には少なからず影響を及ぼすのである。
ここにキャブ調整を行わなければならない・・・明確な理由がある。
たまに、プラグを高い物(イリジューム等の)に替えたが・・・それでもエンジンが焼き付いたなどと、
可笑しな事を言う人もいる様だが、そんな事で焼き付きなど・・・絶対に発生しない。
もしも・・・そんな事で、空燃比を無視してエンジンが快調に回るのなら・・・私も、高価な白金プラグでも
何でも使用したい。
しかし・・・現実には・・・有り得ないのだ。
中には、そんな事言ったって・・・人間は多少気圧が変化したくらいでは、呼吸困難にならないじゃないか?
と、言われそうだが・・・人間の場合は、その辺の調整能力が優れていて、少し位の気圧の変化には影響されない。
全く・・・良く出来ているのである。
しかし、燃焼機関は・・・そうは、行かないのである。
ましてや、小さな排気量のエンジンほど・・・空気密度変化に対する許容範囲が小さく、敏感に反応する傾向にある。
良く出来ている人間でさえ、高い山に登れば・・・呼吸困難になる事でも理解して頂けるだろうか?
実機のエンジンでも・・・当然、その辺は問題になる。
因って・・・レシプロエンジンを搭載した機体では、パイロットが高度変化に伴ってミクスチャーを
頻繁に調整して、空燃比を調整しているのである。
以前・・・伊豆七島の一つ、新島へ撮影に行った折に、調布飛行場からアイランダーで飛んだ事が有る。
その時の機長・・・洋上に出ると前方など殆ど見る事無く、一生懸命(神経質過ぎると、思えるほど)
2基のエンジンのミクスチャーコントロールを頻繁に行っていた事を思い出した。
しかし・・・いくら神経質にミクスチャーを調整しても、高度が高くなるにつれ、出力が
上がらなくなってしまう。
そこで、より高高度を飛行するレシプロエンジンを装備した機体では、スーパーチャージャーなどの過給機で
混合気を圧縮し、燃焼室の充填効率を上げて、エンジンが安定して高い出力を維持できる様にしている。
従って・・・実機でも高度変化に伴って、常にミクスチャーを調整しているのが現状である。
我々が使用しているガソリンエンジンも・・・実機程高い高度を飛行する訳では無いが・・・
気温の変化や標高の変化に応じて・・・その調整は当然必要なのである。
季節の変わり目・気温が急激に変化した時・標高が変化した時等は、エンジンの運転状態に神経を
集中して欲しい。
エンジンの音や排気の色・プラグのやけ具合等を観察して、必要が有れば・・・直ぐに
対処する事が必要なのだ。
もし、それらを感じる事が難しければ・・・気圧計や温度計を用意して、それを目安に
調整する事も必要であろう。
次回は・・・ヘリに適したエンジンのサイズ(排気量・パワー)に付いて、述べようと思う。
と、言う様な話を聞く事が多い。
又、中には・・・ガソリンエンジンのキャブ調整など、一年中調整する必要が無い・・・
などと、話しているのも・・・良く聞く話である。
本当に、一度キャブ調整をすれば・・・再調整の必要は無いのだろうか?
果たして・・・本当にそうなのだろうか?
そもそも・・・どの様な理屈で、エンジンが快適に運転するのだろうか?
一体・・・どうすれば上手にキャブ調整が出来るのだろうか?
その辺を、少し考えてみたいと思う。
そもそも・・・ガソリン2サイクルエンジンを運転する為に我々が用意するモノは、
混合油(ガソリンと2サイクルオイル)と、プラグのスパーク(火花)である。
勿論・・・プラグのスパークは、点火タイミングが適切に調整されていなければ、
エンジンが始動しない事は言うまでもない。
通常、我々がヘリを飛行させる時(ガソリンエンジンを始動する時)に用意する物と言えば・・・
上記に掲げたモノが一般的だと思う。
中には・・・スターター・・・なんて人もいるのかな?
しかし・・・たとえ狂った様にスターターを回し続けても、これだけでは絶対に
エンジンは始動しないのである。
エンジンを始動させる為には・・・もう一つ、非常に重要なモノがある。
その非常に重要なモノとは・・・自分で用意する必要は全くない。
通常は、その質こそ違えど・・・何処にでもあるモノ・・・。
それは何かと言えば・・・空気である。
そんな事、当たり前じゃないか・・・バカバカしいと、言われそうだが・・・。
自分で用意した混合ガソリンは・・・多分・・・何時も同じクオリティー(混合比率)だと思う。
もし、混合ガソリンを作る時、何となくガソリンにオイルを混ぜている人がいたら・・・それを改め
最低でも、正確な混合比で燃料を作るべきである。
その理由は・・・オイルの含有量次第でも、キャブ調整が変化する為だ。
ただでさえ・・・気圧の変化でエンジンの調子が変わってしまうのに、その上
オイルの含有率迄変化してしまうと更に、事を難しくしてしまう為だ。
話を元に戻して・・・
常に全てが同じ条件で有れば・・・一度最適に調整されたキャブの調整など・・・必要無い。
その状況下では・・・ある一定期間に限り、エンジンは常に快適に運転するだろう。
そうだとすれば・・・・キャブ調整の必要など・・・無いと言う事じゃないか?と、言う事になる。
ところが・・・自然界では・・・そうは、問屋が卸さないのである。
エンジンが快適に運転する為には、混合ガソリン+プラグの火花+空気が必要な事は、
上記で説明した。
この中で・・・常にその品質が一定に保たれているモノは何かと言えば・・・
混合ガソリン+プラグの火花である。
唯一・・・環境の変化に伴って、その品質が常に変化するのが・・・空気と言う事になる。
因って・・・3大要素が変化しなければ、キャブ調整の必要など無いのだが・・・
その内の一つでも変化すれば・・・
当然、キャブ調整を行う必要が有ると言う事なのだ。
では・・・実際には、空気がどの様にエンジンの燃焼に影響を与えているのだろうか?
空気には・・・密度がある。
その基準となる密度(気圧)が、標準大気=1013ヘクトパスカルである。
この気圧の変化に因って・・・空気密度が変化する。
その上・・・温度変化でも気圧は変化するので・・・更に事を難しくしている様に思える。
ガソリンエンジンが快適に運転出来る為には、混合気と空気の比率が最適に保たれている必要がある。
理論的にも・・・この比率が決められている。
これを・・・理論空燃比と言う。
実際の比率は・・・多少異なる様だが・・・理論上の空燃比は、15(空気):1(混合気)である。
理論上は・・・上記の比率で、エンジンは完全燃焼する。
ところが・・・我々が使用している自然吸気のキャブレターでは、気圧の変化(標高変化を含む)と共に、
この空燃比の比率が崩れてしまう。
従って、この空気密度の変化は・・・自然吸気エンジンの運転には少なからず影響を及ぼすのである。
ここにキャブ調整を行わなければならない・・・明確な理由がある。
たまに、プラグを高い物(イリジューム等の)に替えたが・・・それでもエンジンが焼き付いたなどと、
可笑しな事を言う人もいる様だが、そんな事で焼き付きなど・・・絶対に発生しない。
もしも・・・そんな事で、空燃比を無視してエンジンが快調に回るのなら・・・私も、高価な白金プラグでも
何でも使用したい。
しかし・・・現実には・・・有り得ないのだ。
中には、そんな事言ったって・・・人間は多少気圧が変化したくらいでは、呼吸困難にならないじゃないか?
と、言われそうだが・・・人間の場合は、その辺の調整能力が優れていて、少し位の気圧の変化には影響されない。
全く・・・良く出来ているのである。
しかし、燃焼機関は・・・そうは、行かないのである。
ましてや、小さな排気量のエンジンほど・・・空気密度変化に対する許容範囲が小さく、敏感に反応する傾向にある。
良く出来ている人間でさえ、高い山に登れば・・・呼吸困難になる事でも理解して頂けるだろうか?
実機のエンジンでも・・・当然、その辺は問題になる。
因って・・・レシプロエンジンを搭載した機体では、パイロットが高度変化に伴ってミクスチャーを
頻繁に調整して、空燃比を調整しているのである。
以前・・・伊豆七島の一つ、新島へ撮影に行った折に、調布飛行場からアイランダーで飛んだ事が有る。
その時の機長・・・洋上に出ると前方など殆ど見る事無く、一生懸命(神経質過ぎると、思えるほど)
2基のエンジンのミクスチャーコントロールを頻繁に行っていた事を思い出した。
しかし・・・いくら神経質にミクスチャーを調整しても、高度が高くなるにつれ、出力が
上がらなくなってしまう。
そこで、より高高度を飛行するレシプロエンジンを装備した機体では、スーパーチャージャーなどの過給機で
混合気を圧縮し、燃焼室の充填効率を上げて、エンジンが安定して高い出力を維持できる様にしている。
従って・・・実機でも高度変化に伴って、常にミクスチャーを調整しているのが現状である。
我々が使用しているガソリンエンジンも・・・実機程高い高度を飛行する訳では無いが・・・
気温の変化や標高の変化に応じて・・・その調整は当然必要なのである。
季節の変わり目・気温が急激に変化した時・標高が変化した時等は、エンジンの運転状態に神経を
集中して欲しい。
エンジンの音や排気の色・プラグのやけ具合等を観察して、必要が有れば・・・直ぐに
対処する事が必要なのだ。
もし、それらを感じる事が難しければ・・・気圧計や温度計を用意して、それを目安に
調整する事も必要であろう。
次回は・・・ヘリに適したエンジンのサイズ(排気量・パワー)に付いて、述べようと思う。