鈴木ヴァイオリンの教本を順番に進めていくと、ピアノ曲では聞いたことのない作曲家の名前が出てきます。
先週のレッスンで、リュリのガボットが宿題となっていましたが、作曲家と曲について調べてみたら、バロック時代のものだということがわかりました。
少し悲しげですけど、きれいな曲で、何度練習しても飽きませんでした。
リュリとは、ジャン・バプティスト・リュリ(Jean Baptiste Lully)、17世紀、フランス全盛期、ルイ14世の宮廷楽長で、ルイ14世のためにバレエ音楽やオペラ音楽等を作っていた偉い方だったようです。 ルイ14世は、ベルサイユ宮殿でバレエを踊っていたのでしょうか。
ところが、このガボットですが、また作曲家に誤解が生じたようです。
歴史研究が進められる過程で、間違いが見つかって訂正されるということはよくあります。
教本に出てくるリュリのガボットは、リュリの弟子であったマラン・マレという人の曲だということが解明されているそうです。
マラン・マレ(Marin Malais)は、リュリの弟子で、バス・ヴィオール(またはヴィオラ・ダ・ガンバ)という楽器奏者・作曲家で、リュリのガボットとされた曲は、実はマレのヴィオール曲集第1巻「組曲第2ニ短調」の24曲目のロンドであるのに、誤解されていたらしいです。
ある米国の音楽家によると、1907年にドイツのバイオリニストWilly Burmesterが、そのロンドをバイオリン用にアレンジし、リュリのガボットの編曲として発表し、鈴木バイオリン教本の鈴木鎮一先生が20代にベルリンに留学していた時にその曲を聴き、リュリの曲と理解したという話です。
発端は、編曲者が音源名を間違ったということですね。
リュリはリュリで、ガボットを作曲していて、それも聴いてみましたが、メロディーが違います。 マリーアントワネット時代の映画等に出てくるような、宮廷の踊りの音楽に近いです。(リュリの本当のガボットは、レッスンの参考にならないので、特に音源は載せません。)
これはチェロ演奏ですが、リュリのガボット/マレのロンドと併記して紹介しています。
ということで、先週のレッスンで、 通称「リュリのガボット」をクリアしたので、今は、ベートーヴェンのメヌエットに取り組んでいます。