ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

ソリストの弦が切れたら…

2021-11-12 | ヴァイオリン
あまりあってはいけないことですが、ヴァイオリンのソリストの弦が演奏中に切れるということは、未だ生演奏で遭遇したことがありません。

先ごろシアトルで開かれたチャイコフスキーのバイオリン協奏曲を演奏していたヴァイオリニスト、レイ・チェン(Ray Chen)にこのハプニングが訪れました、という動画がアップされました。
切れたのはE線。
コンサートマスター(以下コンマス)の弦が切れた時どうするのかご存知の方は多いと思いますが、ソリストの場合どうするかというと、レイ・チェンはコンマスの楽器と交換しました。
後のプロセスは同じ。コンマスが隣の奏者の楽器と交換し、その人は後方へ順番に楽器を交換しながら、切れた楽器を一番後ろの人が持ってステージから出て弦を張り替えてステージへ戻ります。そのあとは先ほどと逆に前へ楽器を送り、もとのプレイヤーに渡すという流れになります。
レイ・チェンは、コンマスの楽器を手にするや焦ることなく、すぐ演奏継続。途中からでも人の楽器で合わせて行けるのはさすがプロです。
演奏の合間に、持っていた予備弦を、回された楽器を手にしているオケ奏者に渡すというシーン。さすがにストラディバリウスに、オケ使用の弦で張り替えるわけには…でしょうね。

レイ・チェン: 台湾生まれ、オーストラリア国籍のヴァイオリニスト。32歳。明るくてノリが良い。



弦が切れたハプニング、何年も前ですが、井上道義さん指揮、新日本フィルによるショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」のコンサートで遭遇しました。当時のコンマスは豊嶋泰嗣さん。
この曲は、第二次大戦中にナチスドイツに包囲されたレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)で作曲され、まさに戦争をテーマとしているものです。レニングラードを守るために多くの人々の抗戦意欲を高めたと言われる、非常に壮大で力強い曲です。
演奏が進むに連れバイオリンの演奏が力強くなり、豊嶋さんの弦がプチン!
後はお決まりの楽器交換プロセス。
然し、この「レニングラード」の演奏中、コンマス豊嶋さんの弦は確か4~5回切れたのです。
最近はコロナ禍の感染対策として、コンマスの足元に予備のヴァイオリンを置いてあったりしますが、以前は見た目が悪いから許されなかったのでしょうね。


写真:Ray Chen Webより

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