音楽室で(ver.2)
誰もいないオンガク室の 淀んだ色の暗い隅
ひとりぼっち、ぴあのを鳴らす ひとりぼっちのピアノ、鳴らす
ホンノリか細い蒼白な指 厳かに鍵盤を打つ
ラの音ミの音シの音ドの音
うちシの音は出ない
それな内気なピアノの曲、練習曲
たったひとつだけ人差し指
ぽろりぽろぽろ ぽろりぽろ
ぽろぽろぽろと
オロロン鳥の鳴く如く
外は蒼白の夜空 狂った様に銀河が走る
町の灯りが オレンジに遠くにぼんやり見える
瞬く街並 杉並の街
終わってしまた商店街にも 音符が漂う
ぴあのの周りを明るく照らし 止った時間 無言の部屋で
月の灯り、常夜灯
皆の帰ったオンガク室は けれどとても平凡で 厳かに退屈で
けれどただぼくひとりきり
「スポットライトの中踊りかけよか?」
覗き込む 首傾げた細月 喝采
ひとり独断のぴあのは淋しげに
ショパン、リスト、ラフマニノフ、うとっりする位のスクリャービン
無音階 透明な事務用の指サックを嵌めて
機械の様な 指紋の消えた鈍い指先 走馬灯
たったひとつのひ弱(よわ)な人差し指
ぽろりと脆弱な音 ピアノの音
もずが鳴く様に 号して泣く様に
闇夜をズタズタにして ぴあのを鳴らし続ける
少し音程のいかれて 素頓狂 音楽隊
防音コルクの音楽室 闇と同じ無音室
無機的な金管楽器 居並ぶ中で
それは客でなく 詮索する鋭い歯を持った試験官で
ひとりぽろぽろとトランペットの様に 夜空にぴあのを駆ける
漆黒のボディーに映る 幼いか細い顔
音符を追うのに その目はたどたどしく
そんな音楽家が独り 部屋の空気、振動させて
孤独な音色響きます
夕暮れの町見渡す限り でも青空で
音楽室はたったひとり マーチの様に
独り善がりの時計が 真夜中過ぎになりました
外は何時の間にかシンシンと雪になり ボタ雪となりました
時間が経っても相変わらず 空から舞い落ちています
「コンバンワ」した月と 雪解けの遠い雪だけの
ストーブに襞だけが赤々と
艶の消えて 黒ぴあのに映りました
静かな独りのおんがくしつ
孤独のリハーサル
今日もまた昨日の続きの様に
ひとりぼっちでぴあのを鳴らします
夜空に音の消えることを確かめながら 鳴らしています
消えて行った自己を・・・
・・・・・・・・
でもあなた この店に何処にも出口は見当たりませんヨ
永遠に多分、無いでしょうヨ
だから・・・って?
ラウンジの余興 倦怠な雑踏 白のピアノとブランデー
そこに映った唯一の追憶が あの夜です
追憶は 追憶だけは きっと何時も寂しいんでしょうネ
コメント一言。ラストの下敷きは明らかと思う。’80年の追憶は、此処にない。
誰もいないオンガク室の 淀んだ色の暗い隅
ひとりぼっち、ぴあのを鳴らす ひとりぼっちのピアノ、鳴らす
ホンノリか細い蒼白な指 厳かに鍵盤を打つ
ラの音ミの音シの音ドの音
うちシの音は出ない
それな内気なピアノの曲、練習曲
たったひとつだけ人差し指
ぽろりぽろぽろ ぽろりぽろ
ぽろぽろぽろと
オロロン鳥の鳴く如く
外は蒼白の夜空 狂った様に銀河が走る
町の灯りが オレンジに遠くにぼんやり見える
瞬く街並 杉並の街
終わってしまた商店街にも 音符が漂う
ぴあのの周りを明るく照らし 止った時間 無言の部屋で
月の灯り、常夜灯
皆の帰ったオンガク室は けれどとても平凡で 厳かに退屈で
けれどただぼくひとりきり
「スポットライトの中踊りかけよか?」
覗き込む 首傾げた細月 喝采
ひとり独断のぴあのは淋しげに
ショパン、リスト、ラフマニノフ、うとっりする位のスクリャービン
無音階 透明な事務用の指サックを嵌めて
機械の様な 指紋の消えた鈍い指先 走馬灯
たったひとつのひ弱(よわ)な人差し指
ぽろりと脆弱な音 ピアノの音
もずが鳴く様に 号して泣く様に
闇夜をズタズタにして ぴあのを鳴らし続ける
少し音程のいかれて 素頓狂 音楽隊
防音コルクの音楽室 闇と同じ無音室
無機的な金管楽器 居並ぶ中で
それは客でなく 詮索する鋭い歯を持った試験官で
ひとりぽろぽろとトランペットの様に 夜空にぴあのを駆ける
漆黒のボディーに映る 幼いか細い顔
音符を追うのに その目はたどたどしく
そんな音楽家が独り 部屋の空気、振動させて
孤独な音色響きます
夕暮れの町見渡す限り でも青空で
音楽室はたったひとり マーチの様に
独り善がりの時計が 真夜中過ぎになりました
外は何時の間にかシンシンと雪になり ボタ雪となりました
時間が経っても相変わらず 空から舞い落ちています
「コンバンワ」した月と 雪解けの遠い雪だけの
ストーブに襞だけが赤々と
艶の消えて 黒ぴあのに映りました
静かな独りのおんがくしつ
孤独のリハーサル
今日もまた昨日の続きの様に
ひとりぼっちでぴあのを鳴らします
夜空に音の消えることを確かめながら 鳴らしています
消えて行った自己を・・・
・・・・・・・・
でもあなた この店に何処にも出口は見当たりませんヨ
永遠に多分、無いでしょうヨ
だから・・・って?
ラウンジの余興 倦怠な雑踏 白のピアノとブランデー
そこに映った唯一の追憶が あの夜です
追憶は 追憶だけは きっと何時も寂しいんでしょうネ
コメント一言。ラストの下敷きは明らかと思う。’80年の追憶は、此処にない。