電池交換ご依頼時には外した電池の点検は欠かせません。
「液漏れしているか否か」の確認作業です。
今回のご依頼品はうっすら水滴が乾いたような跡が見受けられます
ムーブメント側の影響具合を確認すると
電池接点部への影響が見ること出来ました。
程度としては「初期」「軽度」とお伝えしても差し支えない感じですが、今後のご使用を考えると、この見つけたタイミングで除去作業は必要です。
液漏れ跡は取れました。影響の有った箇所は変色があります。
【電池液漏れの詳細と説明】
過去記事の引用ですが電池液漏れの詳細です。
液漏れ(漏液)の原因としては「過放電」によるものが多いです
「過放電」とは、電池電圧が時計を作動出来ない量(=電池切れ)になってからも放電している状態の事。
「過放電状態」になると電池内部に水素ガスが発生し、その水素ガスによって内圧が上昇し膨らみます、膨らんだ電池がそのまま軽度でも、破裂若しくは破損してしまうと、入っている機械やユーザーの人体に被害が及ぶ可能性ありますので、安全弁(微細な穴)から水素ガスを放出し電池の破裂を防ぎます。
その時に電池のアルカリ液も同時に放出され、リード板を伝ってムーブメント内部にアルカリ液が流れ込み、回路等の部品に不調をきたします。
電池自体の変化としては①電池切れ ②電池自体の膨張 ③破裂防止のため内部水素ガスとアルカリ液の放出 ④当初は液体 ⑤時間経過とともに乾燥し粉状へ
また、リード板がアルカリ液によって腐食し、接触不良起こすこともあります。
時計が止まっていたら早めの電池交換おススメしています