ハネっちのミリブロ?

エアガンはyahooオークションでもyukichi10500のIDで出品していますので併せてご覧頂ければ幸いです。

BOLT MP5 パワーカスタム 施工

2022-10-15 15:11:48 | 海外製次世代電動ガン(エアガン)

BOLT MP5 Tacticalのピニオンギア交換の様子をお伝えします。

ピニオンギアはモーターの先端にある黄色の丸で囲んだこのギザギザの部品、小さいですがモーターの回転力をメカボックス内のギアに伝える重要な部品です。

今回のBOLT MP5へのカスタム施工で使用するのはこのイーグル模型の「Hummer Hand wound 1300」というモーター、施工主様からベースガンと一緒に送られてきた物ですが、感触的にはマルイEG-1000と似たような傾向のあるバランス型のモーターのようです。

ネット検索でモーターの交換と言えば「グリップのネジを外して配線をつなぎ直せば完了」的な記事が良く引っ掛かりますが、私の経験から言えばそれが通用するのはマルイ製品でノーマル状態の製品のみ、異なるメーカーのモーターを使用する場合や内部カスタムを行っている時には作動ノイズが大きくなったりギアの辺摩耗が起こるので再調整が必要になります。

という訳でまずはピニオンリムーバーでモーターについているピニオンギアを外します。

一般にピニオンギアには2種類の規格があり今回のイーグル模型やマルイなどが使用する「Oタイプ」と海外電動ガンで主流な「Dタイプ」に分類されます。

Oタイプはモーターシャフトの断面が丸くピニオンとは摩擦力のみで接合しているのですが、流通している交換用の汎用Oタイプギアがこれに都合よく適合する確率はほぼゼロ、作動時の負荷に耐え切れず使ってるうちにモーターだけで空回りしだすので、大抵はDタイプを組み合わせることになります。

とは言ってもシャフトの断面が違いますよね、ええ、だからこれから削るんです。

この工程は一発勝負、削りすぎるとガタが発生してモーターを一発でダメにしてしまうハイリスクな加工です。失敗すると私が自腹で新しいモーターを用意しなければならないので本当はやりたくない加工なんですが、でもまあ何回もやってるんで今回も大丈夫です、たぶん(汗)

ピニオンギアはBOLT MP5の標準モーターのものを移植しました。元々使われていた物なので他の純正パーツとの相性も問題ない筈です。ギアノイズの悪評が悪いので有名?なHummerブランドのモーターですが、ピニオンギアを交換すればこの問題をクリアする事ができます。

削り終わったシャフト断面はBOLT製ピニオンにぴったりと収まりました。これぞカスタムメイドの醍醐味、世界に一つしかない専用モーターの誕生です。

最後にSBDを移植すれば完成、自腹にならなくて良かったです(笑)

 

以上、BOLT MP5 ピニオンギア交換の様子をお伝えしました。

 


BOLT MP5A4 Tactical パワーカスタムβ 施工2

2022-09-29 18:00:17 | 海外製次世代電動ガン(エアガン)

BOLT MP5 Tacticalへのカスタム施工の様子をお伝えしています。

リコイルギミックが搭載された”海外版次世代電動ガン”のBOLT MP5ですが、ギア類は次世代ではなくスタンダード電動ガンのギアが使われています。ただ通常よりもややローギアな規格なため、マルイ次世代クラスのフルオートサイクルをご希望されるご依頼者様のご要望により通常のものと交換します。

ギアの交換自体はもちろん難しくはありませんが、組み合わせるギアの選択には苦労しました。ギアのストックは何種類か用意をしているのですが、肉厚のBOLT MP5用メカボックスにそのまま合わせることができる薄めのセットがなかったので現物合わせでパーツを組み合わせる必要があったからです。

シム調整の基本はスパーギアとベベルギアの位置決めが重要になります。このかみ合わせが浅いと耐久性を大きく落としてしまいますのでシムで高さを調整して合わせます。

シム調整と言ってもワッシャーの厚みを増減するだけではありません。スパーギアは厚みを少し削って他のパーツとの干渉を回避する必要がありました。

またシム自体がパーツ干渉の原因になる場合もあり、セクターギアについては軸についているカラーの高さを変更してタペットプレートの動きを妨げないようにしてあります。

軸受けの固定も重要な工程です。メカボックスにバリがあるままでは軸受けも歪んで固定されてしまいますので予め均一にします

これはタペットプレートと干渉しそうなバリを削っているところです。こんな地味な作業の積み重ねが設計本来のスペックを発揮し、滑らかな作動を実現するのに大切だったりもします。

最後はメカボックスを外から止めているネジ、画像左のタイプは見かけは良いんですが何度か締めると簡単にナメるので右のプラスネジに交換します。

これが外れなくなるとメカボックスが分解できないので修理もメンテナンスもできません・・・あとナメたネジを外すのも大変ですから(汗)

 

以上、BOLT MP5 Tacticalのメカボックス調整の様子をお伝えしました。

 


BOLT MP5A4 Tactical パワーカスタムβ 施工3

2022-09-01 20:30:17 | 海外製次世代電動ガン(エアガン)

BOLT MP5A4 Tacticalへのカスタム施工の様子をお伝えします。

BOLT MP5のチャンバーはマルイスタンダード電動ガンのAK47シリーズに似た構造のレバー調整式HOPが採用されています。

でもノズルの長さはMP5シリーズに近く基本的にはマルイ電動ガンのどの機種とも互換性がありません。まあ甥っ子ぐらいには似てると思いますが・・・

ただこの”甥っ子”ちょっとお勉強が苦手みたいで通知表(弾速計)の内容が良くありませんでした。0.2g弾ゼロHOP時(画像左)に対して0.28g弾HOP適正時(画像右)のパワーが半分程度しかなく、当然弾道もヒョロヒョロで今一つの性能です。

その原因はここ、チャンバーにノズルを差し込んでも中のパッキンに殆ど当たっている感触がありません。気密が弱くエアーがダダ洩れしてしまうので設計通りの性能が発揮できていないようです。

こんな時はチャンバーカラーを組み込みます(そうでない時も電動ガンにはだいたい施工していますが)。このカラーはチャンバー構造を補強する私のオリジナルパーツで、流速カスタムで発生する高い圧力下でもパッキンの変形を抑える効果があり、今回はそれに加えてノズルとの相性を補正する役目も持たしてあります。

そしてノズルにも一工夫してあります。ノーマルのノズル内径は〇なんですが、これは■に見えますよね? 前出の気密強化を行うと弾詰まりの時に圧縮されたエアーの逃げ場がなくなりピストンクラッシュの確率が高くなってしまいますので、この加工でBB弾が完全にノズルを塞ぐのを防いで最悪の状態でもある程度のピストンスピードを確保しています。

気密関連の施工が終わったらバレルの加工に入ります。バレル基部のHOP用の開口部を拡大する事でパッキンの作動領域やBB弾との接触面積を増やすこの加工も私のカスタムでは定番の作業になっています。

そしてバレルの短縮化は最小限のスプリング強化で最良の性能を発揮できるか否か、チューナーの技量やノウハウが問われる加工です。

残すバレルの長さは想定されるHOPの摩擦度合いやシリンダー容量、気密性能によって予めベストな長さを設定する必要があり、間違ってもパワーの帳尻合わせにちょこちょこカットするようなものではありません。

テーパー加工はアウターバレルがインナーバレルに重なる今回のような場合は乱流の影響をあまり考慮する必要はありませんが、直に射出エアーが大気放出されるような場合には整流のために長めに入れたりもします。

すべての作業が終わったら最後にコンプレッションテストを行います。バレル先端を塞いだ状態でバレルからシリンダーまでの経路をつないでピストンを加圧、この状態で反発力を感じるくらいにエアーが漏れなければ流速カスタムの高い射出力にも対応できる気密性能が確保できたと言えます。

ダダ漏れのセッティングを補うためにシリンダー容量を増すよりも、漏れないセッティングでより低負荷な流速カスタムを目指すのが私のチャンバーセッティングなのです。

 

 以上、BOLT MP5A4 Tacticalへのカスタム施工の様子をお伝えしました。

 

 


BOLT MP5A4 Tactical 分解レビュー 

2022-08-04 15:09:27 | 海外製次世代電動ガン(エアガン)

BOLT MP5A4 Tactical の分解レビューです。

海外製電動ガンでもリコイル機能が入ったのがあるんですね(汗)、しかもこのモデルはマルイが次世代MP5を出す前からあるみたいでパクり商品の多い海外製電動ガンの中ではちょっと異質な存在のようです。

という訳で海外製次世代電動ガンともいえるBOLT MP5の実力を分解レビューと併せてお伝えしていきたいと思います。

BOLT MP5の分解は実銃同様にテイクダウンピンを外して行います。ピンに適当なサイズのポンチがない場合でも尖っていない棒状のものがあれば簡単に外すことができます。

ピンを外すと実銃同様にロアフレームを引き出して・・・と行きたいところですが残念ながらどこかに引っ掛かってこれ以上は外れないようです。 

ロアフレームを取り外すにはマルイのスタンダード電動ガンMP5と同じくセイフティーとモーターを外す必要がありました。セイフティーはマルイのようにユニットにはなっていませんのでバラバラにならないように注意が必要です。

BOLT MP5は11.1Vリチウムポリマーバッテリー仕様との触れ込みですが、モーター自体は一般的な海外製品と同程度のスペックですので、このままニッケル水素8.4Vや7.4vのリチウムポリマーバッテリーを使っても特に問題は起きません。

SBDが組み込まれてたりメカボックスの封印が剥がれているのでご依頼者様か購入したショップで初期調整は済ませてあるようですが、接続端子がモーターエンドの高さより高く、グリップ底部の調整ネジの機能を殺してしまっているのが気になります。

モーターの奥にある固定ネジを外せばロアレシーバーは取り外すことができました、この辺はマルイスタンダードMP5と同じ流れです。

メカボックスとバレルはアッパーレシーバーの後方から引き出すことができます。HOPの形状はAKやMP5Kに近いレバー式で、バレル長はマルイMP5よりもやや短くなっています。

メカボックスの基本形状はVer.2ですが、Ver.3と同じようにカットされた上部の強度を補うような肉厚な補強箇所があります。マルイと違ってVer.3を単純に流用しなかったのはトリガーストロークが長くなってしまうのをBOLTの設計者が嫌っているからかもしれません。

メカボックスの内部はマルイVer.2の強化版といった感じで強いスプリングを前提とした海外仕様の電動ガンでは一般的なものになっていましたがギア比は低めのようです。

弾速計のデータはこんな感じです。0.20g弾ゼロHOP時のパワーは0.74Jと一般的な数値(画像左)ですが、施工ご依頼者様がお使いになりたい0.28g弾での適正HOP時は大きくパワーを下げて0.34Jにまで低下してしまいました。

この辺は0.25g弾にも対応できるマルイ次世代と比べるとノーマルでの性能は低いと言わざるを得ませんが、マルイ次世代MP5も0.28gからの重量弾には対応できませんのでカスタム前提のスペックとしてはそこまで決定的な優劣がある訳ではありません。発射サイクルは7.4v/2200mAhリチウムポリマーバッテリーでの結果です。

最後は音圧チェック、いつものように銃口から直角に50cm離れた位置での計測結果は95.5㏈と音圧的にはマルイ製次世代電動ガンと同レベルなのですがメカノイズが少し多めなのが気になるところ、前述したSBDの組み込みが影響しているのかもしれませんが、現状ではマルイ製に軍配が上がります。

またボルト操作でリコイル機能をオミットできる機能についてもギアノイズを余計に目立たせるだけのものでしかありませんので特段メリットには思えませんでした。

とは言え、パーツ供給が一切なくノーマルのみ修理受け付けのマルイ次世代MP5と、汎用パーツが豊富でカスタムやメンテにもある程度対応できるBOLT MP5のどちらが良いのかと私に聞かれると・・・ね(笑) 

引き続きカスタム施工の様子をお伝えしていきたいと思います。