今回は古いレンズを分解していくシリーズ、第2回「RICCHO RIKENON XR 200mm F4」です。
マルシン(レプリカ)の固定スライドガスガン P88へのカスタム施工の様子をお伝えしています。
前回までの加工でようやくまっとうな性能を発揮できるようになったこのP88ですが、このままだとただのビンテージエアガン(エアソフトガン)のレビューになってしまいますので、私らしく?パワー系のチューニングを施して極悪仕様のP88にしてみたいと思います。
という訳で最初の加工はガスルートの研磨です。段差をなだらかにしたり細くなっている場所を削って広げることでガスの流れがスムーズになります。
ノズル径の拡大も行いました。増えたガス流量に合わせて面積を拡大すれば相乗効果でパワー効率は一気に上がります。
固定スライドガスガンでは必修のハンマースプリング強化も忘れてはいません。と言っても「○○○%強化スプリング」なんてパーツを組み込んでしまうとせっかくのトリガーフィーリングが台無しになってしまいますので、今回は亜鉛のハンマーに真鍮製のカラーを組み込むことで摩擦力を軽減してみました。
既に前回のシアー調整で十分な打撃力は確保していますし、スプリングだけ強くしても夏に規制値をオーバーする可能性がありますのでホドホドで止めておきます。
絶対に外せないのがバレルの交換です。このP88は旧レプリカ時代の製品なのでバレル内径がかなり広く(6.20mmぐらい)現行の6mmBB弾よりも少し大きいマルシンSM弾に合わせた仕様にもなっていますのでパワー効率が非常に悪く時々給弾不良(2発同時発射)が発生してしまうどうしようもないシロモノ、なのでこれは換えないとお話になりません(汗)
例によって「P88用カスタムバレル」なんてものはありませんので専用品を作りました。電動ガン用のバレル(6.03mm)をベースにサイズを合わせるのですが切り込みの位置も変更して現行BB弾が使えるように修正しました。またチャンバー部分の厚みを増やして気密性能も向上させています。
最後の仕上げはHOPの組み込みです。ニトリル製ゴムシートを加工してパッキンにした固定仕様で弾が銃口から落ちる”弾ポロ”もなくなります。0.28g弾で適正HOPとなります。
イモネジを追加すれば可変仕様にもなるのですがハンドガンの限られたスペースではあまり高性能なものが組めませんので気密や弾道の安定性を重視した仕様にしています。 あと作るのも楽ですし・・
左:ノーマル 右:パワーカスタム
完成したP88パワーカスタムのスペックはこちらです。ノーマル比1100%以上のパワーで10禁から一気に最強モデルへと変貌してしまいました。
マンターゲットへの有効射程はハンドガンですので30m程度といったところですが飛んでいくだけで良ければ重量弾によるハイパワーな特性で最大飛距離は約90mと長物クラスの実射性能を持っています。
この辺のスペックは「流速カスタム」と原理的には同じで、実は今回のP88のようなガス流量を増やした固定スライドガスガンの特性を電動ガンやエアコッキングガンにも応用したのがこのチューニングの原点だったりもするのです。
30年の歳月を経て甦ったP88は、軽快なスライド作動音の代わりにヒットされたゲーマーのうめき声がフィールドに響く”割りばしマガジン最強”のガスハンドガンに生まれ変わりました。たぶんこれを持ってる私が弾切れになっても、うかつに近づける敵はいないと思います(笑)