マルシンの固定スライドガスガン Mod.PPK をベースにしたカスタムガンのご紹介です。
PPKと言えば中型オートマチックピストルの代名詞、モーゼルHCSはもちろんマカロフにSIG P230 などもPPKを参考にして作られたと言われています。エアガン(エアソフトガン)では古くはマルシンのエアコッキングに始まりマルゼンのフィクスド&ブローバックガスガン、最近でもマルイの銀弾シリーズにラインナップされて中々に人気はあるモデルなのですが、構造的な制約から(小さいと性能が出しにくいので)どれもスケール感がデタラメ、実銃PPKのサイズ感を正しく再現しているは意外にもこのマルシンの固定スライドガスガンだけだったりします。
ただこの個体にはちょっとした問題がありました。前のオーナーが可変HOPのイモネジでパッキンを突き破っているようです。この製品に限らずHOPの調整は弾道を確認しながら少しずつ行うのが基本で、アホみたいにグリグリ回していると壊れてしまうのでご注意下さい。
左:ガスタンク温度28℃ 右:同36℃時
破れたHOPパッキンを外して一先ずバレルをセロテープで塞いでからノーマルのスペックを測ってみました。ガスタンクの温度が28℃の時に0.39J(0.2g弾の弾速で62.5m/s)はこのサイズから考えると標準的なものですが、温度を上げてると0.19Jと大幅にパワーダウンしてしまうのはセロテープが剥がれたからではなく、マルシンPPKの持つ弱点なので改良の必要があります。
という訳で最初に壊れていたHOPを補修します。破れたパッキンはどうしようもありませんので固定HOPに仕様を変更しました。可変HOPのように弾の重さに合わせた調整はできませんが弾道はこちらの方が安定します。これなら回し過ぎて壊す心配もありません(汗)
高温時のパワー低下はハンマーの打撃力が弱すぎるのが原因です。とは言え小型モデルは構造上の制約から単純にハンマースプリングを強化してしまうのとトリガープルが硬くなりすでるので、今回は特性の異なるスプリングに交換してをテンションの上限はそのままに掛ける時間を長くすることで打撃力を強化してみました。
旧レプリカ時代の製品のようにガスタンクが空の時はトリガーを少し引いてガスを充填する必要がありますがノーマルに対してトリガープルは変わらず、シアー調整も行っていますのでそこまで重くは感じないかと思います。
ガスルートとバルブへの加工も一工夫しています。他モデルのようにガス流量MAX仕様ではなく、弱いハンマーの打撃力でも必要なバルブ開度を確保できるような程々な設定にしました。
このPPKはガス漏れしていない個体でしたが一応漏れそうな箇所は予防処置を行っています。マルシンは新品でも時々ガス漏れしてしまう品質管理がアバウトなメーカーなのですが、それをクリアすればマルイ製品とは一味違う商品ラインナップに魅力を感じてしまう不思議なメーカーです(少なくとも私はそう思ってます)。
このシリーズの醍醐味と言えばサイレンサーが装着できることですが、残念ながらこのPPKには付属していませんでした。純正サイレンサーは入手困難ですのでアダプターを介してM4逆ネジ規格のサイレンサーが取り付けれるように加工してみました。好みのサイレンサーが付けれるのでこちらの方が何かと便利です。
左:ガスタンク温度28℃ 右:同36℃時
カスタム施工後のスペックはご覧のとおりです。トリガープルの重さは変えずにノーマル比167~420%のパワーアップができるのは、このモデルを私が散々いじくり回しているからなのかもしれません。
メインウェポンが弾切れでサブウエポンも不調、そんな超アンラッキーな状況でもこのマルシンPPKパワーカスタムが最後の切り札になるでしょう。ベテラン(おじさん)ゲーマーを仕留める時は最後まで決して油断してはいけないのです(笑)
水平射飛距離55m~
最大飛距離75m~
0.25~0.28g弾推奨
以上、マルシン Mod.PPK +サイレンサー パワーカスタムのレビューをお伝えしました。