ハネっちのミリブロ?

エアガンはyahooオークションでもyukichi10500のIDで出品していますので併せてご覧頂ければ幸いです。

爆音と静音

2022-01-17 17:59:32 | 実験&考察(エアガン)

エアガン(エアソフトガン)の飛距離を伸ばすのに欠かせない流速カスタム・チューン、失速せずに遠くまでスーッと飛んでいくあの重量弾を使った遠距離射撃を味わうともうノーマルには戻れません。そんな流速カスタムの発射音は大きい程に高性能なんて言う人もいますが実際のところどうなんでしょうか、今回はその辺のお話しです。

↑ 普通のエアガン(エアソフトガン)のセッティングを一言で表すと「高効率」、長いバレルに加速しやすい軽い弾を組み合わせることで圧縮するエアーが低圧でも十分なパワーを発生さることができます。パーツの強度や気密性能も程々でよく大量生産に向くこのセッティングは発射音も静かです。

 

 

↑ それに対して流速カスタムは短いバレルに実射性能を高めるために重量弾を組み合わせるのが基本で、バレル内の圧力を高めるためにシリンダー容量を増やして強いスプリングを使うのでノーマルセッティングより発射音は大きくなってしまいます。

 

画像左:ノーマル   画像右:パワーカスタムγ施工後 

↑ ただ発射音がこの内圧差だけで大きくなる訳でもありません。例えばマルイM4SOPMODをベースにした私の「パワーカスタムγ」の場合、空気抵抗や風の影響に強い0.30~0.33g弾を使ってHOP適正時に0.92Jの最大パワーを発生させることができますが、ノーマルの発射音97.7㏈に対して98.1㏈と殆ど変化がありません。

「爆音」と言われる大きな発射音を伴う流速カスタムと同等以上の性能なのに発射音圧を抑えれる仕様が存在するのは一体なぜでしょうか? *音圧は銃口から直角に約50cm離れた屋内で計測しています。

↑ 前述したとおり流速カスタムでは重量弾を発射しますが、そのためにはノーマルよりも強い力=「高圧」を必要とします。しかしノーマルの気密強度のままでこれをやると大量のエア漏れが発生してしまいシリンダー容量は必要以上に確保しなければなりません。

そんなセッティングで高圧のエアーを発生させるためにはモーターが止まってしまうような高レートのメインスプリングを使ってピストンの前進スピードを恐ろしい程に加速させることになります。

そうです、あの強烈な発射音の大部分はピストンがシリンダーヘッドやメカボックスに激しく衝突している音なのです(汗) つまり高性能だからではなく無駄が多すぎるから発射音は大きくなっていただけで、きちんと作れば流速カスタムでも発射音はそこまで大きくはならないのです。

 

画像左:気密カラー   画像右:コンプレッション(加圧)テスト

↑爆音チューンは難易度の低い工法なので手軽にその効果を楽しめるのですが性能的には無駄の多いセッティング、対して気密性能を高めた高効率な流速カスタムはその分ワンランク上の性能を手に入れることができます。 大量生産されたノーマルやバイトのお兄ちゃんをこき使って作るショップカスタムにはない特別な一丁を作るには手間を惜しんではいけないのでした(笑)

以上、流速カスタムの発射音についてのお話でした。


マルイ M4パトリオット パワーカスタムα

2022-01-03 03:10:16 | ハイサイクル電動ガン(エアガン)

東京マルイ  M4パトリオットHCをベースにしたカスタム電動ガンのレビューです。

ハイサイクル電動ガンをベースに流速チューン・カスタムを行うには十分な耐久性を確保するのが重要、なぜなら流速化で増える負荷に加えて連射速度が通常サイクルの1.5~2倍程度のハイサイクル電動ガンではその負荷も飛躍的に高まってしまうからです。そんな過酷な条件でのセッティングを可能にしたM4パトリオットHC パワーカスタムαは、ギアとピストンをちょっといじっただけのエセ流速ハイサイクルカスタムには真似のできない高い実射性能と耐久性を両立できるカスタム電動ガンです。

 

画像左:0.20g弾ゼロHOP 中:0.25g弾HOP適正 右:0.28g弾HOP適正

という訳でまずはノーマルスペックから見ていきたいと思います。0.20g弾でそこそこあるパワーがHOPと重量弾の使用で徐々に低下していくのがお分かり頂けるでしょうか。発射サイクルはリチウムポリマー7.4v/2000mAhバッテリー使用時に24.5発秒、公称値に少し足りませんがバッテリーを新しくすればもう少し上がるのかもしれません。

 

画像左:0.20g弾ゼロHOP 中:0.25g弾HOP適正 右:0.28g弾HOP適正

こちらはパワーカスタムαでの計測結果、0.20g弾ゼロHOP時よりも0.25g弾や0.28g弾でのHOP適正時の方がパワーが増しているのが分かります。また発射サイクルの低下を最小限に抑えることができるのは加速シリンダーを使った流速化やギアセッティングの効率化などの技術を積み上げた効果で、ニッケル水素バッテリーでの運用も可能になっています。

 

そして流速カスタムと言えば気になるのが発射音、特に今回のパトリオットのようなショートモデルをベースにした場合には大きくなりがちですが、画像左のノーマル96.4㏈に対して消音対策も施したパワーカスタムα(画像中)では95.6㏈と音圧は-0.8㏈の低下を確認できました。更にサイレンサーを装着した状態での画像右89.3㏈は下手な消音カスタムと比較しても引けを取らない数値です。*計測は銃口から直角に50cm程度離れた屋内で行いました。

 

ノーマルのハイサイクル連射はそのままに重量弾を使った遠距離&静音射撃が可能なM4パトリオット パワーカスタムα、遠くから飛んでくるBB弾シャワーに敵ゲーマーも苦戦することになるかもしれません。

以上、マルイM4パトリオット パワーカスタムαのレビューをお伝えしました。