次世代電動ガンと言えばトップレベルの実射性能を誇る東京マルイの最上位モデル、世界中で販売されているの電動ガンの頂点に君臨するこのシリーズに対抗できるライバルは今のところ存在しません。今回はそんな次世代電動ガンの性能を更に向上させたscar L CQC パワーカスタムβのご紹介です。
実銃scarLはベルギーの銃器メーカーFNハースタイル社が米軍特殊部隊SOCOMに向けて製作したもので、M4が採用するリュングマン方式を一般的なガスピストン方式に改めたことで汚れによる作動不良への弱さを克服しながらも、デザインや操作性はM4との親和性を図り実戦投入されたアフガニスタン紛争でも兵士からの高い評価を受けた、まさに理想のアサルトライフルです。
ストックはM4同様に長さの調整ができる上にサイトに合わせた高さ調整も可能、加えて完全に折りたたんで全長を大幅に短縮できるのはバッファーチューブを持たないscarだから実現したもので、そこには慣れ親しんだミニバッテリーが収納できます。
という訳でここからはノーマルscarとカスタム施工後のscarでパワー特性を比べてみたいと思います。
画像左がノーマルscarです。0.20g弾使用ゼロHOP時のデータで運動エネルギーは0.76J、スタンダードシリーズの電動ガンに比べて1~2割ほど高いパワー設定が次世代の慣例のようです。
そして右が0.28g弾HOP適正時のデータです。運動エネルギーは0.64J、HOPを強く作動させたことでパワーダウンが発生していますが、スタンダードシリーズに対してその低下割合は低く抑えられており、ノーマルでもそこそこ重量弾向けのセッティングがなされています。因みにこの状態でもカスタムパーツてんこ盛りのスタンダード電動ガンよりは余程高性能です。
続いてパワーカスタムβ施工後のscarです。左の0.20g弾ゼロHOP時の数値も既にかなりノーマルよりも高くなっていますが、更に0.28g弾HOP適正時にはパワーを増して規制値の上限レベルまで上昇します。
これは一般に”流速”と言われるカスタム手法で製作されたカスタムガンによく見られる現象で、最大パワーをHOP作動時に発生させることで法規をクリアしながらも実質的にはノーマルよりも数段高いパワーでの運用ができ、当然サバイバルゲームでも有利な交戦が可能となります。
そんな流速カスタムですが弱点も存在します、それは発射音です。一般に流速カスタムは大量の圧縮エアーを必要とするセッティングですので非常に強いメインスプリングが使われています。そのためピストンがピストンヘッドを介してメカボックスに伝わる打撃力も非常に強くなり”爆音”などと表現される独特の大きな発射音が発生してしまうのですが・・・
ご覧のとおりパワーカスタムβではそんなことはありません。左がノーマルで右がパワーカスタムβ、共に同条件での音圧計による測定データです。測定誤差で少し低めの数値になっていますがほぼ同じ程度の音圧になります。
その秘密は”効率の良さ”にあります。パワーカスタムβは少ない力を効率的に運用するので一般的な流速カスタムのように大量の圧縮エアーを必要としません。そのためシリンダー容量も容量の少ない加速シリンダーのままで良く、極端に強いメインスプリングも必要としません。
だから発射音に大きな変化がなくサイクルもノーマル並みのセッティングが可能で、繊細な構造の次世代電動ガンへの施工でも十分な強度を確保することができるのです。もちろん実射性能にも妥協はなく0.28~0.30gの重量弾をバシバシ発射できます。
実銃同様のリコイルショックが楽しめる上にセミオートでの集弾性能はスナイパーライフル並み、ノーマル同等の発射音でも流速カスタムに並ぶ長射程化も併せ持つscarL CQC パワーカスタムβは、間違いなくトップレベルのカスタム電動ガンなのです。