ハネっちのミリブロ?

エアガンはyahooオークションでもyukichi10500のIDで出品していますので併せてご覧頂ければ幸いです。

被弾感覚の違い1(S&T M4A1 パワーカスタム流速)

2023-09-05 05:27:39 | 実験&考察(エアガン)

今回はちょっとだけ体を張った実験です。

私が思うにサバイバルゲームをやってる人って真面目な人が多いんじゃないかと思います。だってヒットの判定は自己申告、撃たれた人は自ら敗北を認めるのですからお互いに誠実でなければゲームは成立しません。

ただ中には撃たれても黙っているクソヤローな人もいる訳で、そんなゾンビ(ヒットされても黙ってる人:サバゲ―用語)対策のためにも被弾感覚の強い=当たると ”痛い” エアガン(エアソフトガン)が必要になってくるのです。

「でもパワーの上限は決まってるだろ」って? 大丈夫、同じパワーでも 痛いのはちゃんとあるんです。

 

それは 私のカスタムしたこの電動ガン↑ です(アヒルは気にしないで下さい)。0.25~0.28g弾の特性に合わせたセッティングは0.2g弾を使う一般的な電動ガンにはない痛みをもたらします。

 

実験は0.2g弾、0.25g弾。0.28g弾を使ってそれぞれ約40m離れた場所から被験者(私です)の背中をセミオートで10発ぐらい撃ちます。尚、 痛さの度合いはすべて 主観になりますので予めご了承下さい(汗)

 

では0.2g弾から始めます。HOP適正時のパワーは0.78J(初速88.74/m)、一般的なスタンダード電動ガンやちょっとしたチューニングガンを想定したレベルです。弾はS&T 0.2gバイオBB弾を使用しました。

 

被験者の感想「ぜんぜん余裕~♪」

 

0.8J程度と言えば次世代電動ガンクラスのパワーですが0.2g弾を使うと当たった感覚は殆どありません。痛くないので「黙っていようかな」なんて考えてしまう人が出てくるのも納得で、この程度の性能しか出せないのに後でクレームを入れる人も大人げない気がします。

 

次は0.25g弾です。HOP適正時のパワーは0.84J、0.2g弾よりもより強いHOPを掛ける0.25g弾でパワーが出るのは重量弾に合わせた流速カスタムの特性、次世代電動ガンよりもワンランク上の性能です。0.25gマルイ製バイオ弾を使用しました。

 

被験者の感想「おっと」

 

被弾感覚は明確になりました。これでゾンビかましてくるヤツは故意にそうしているのでしょう。服に当たる音もしっかりと聞こえ臨場感のあるサバゲ―が楽しめそう・・・つまり痛さにはまだ余裕があります。

 

最後は0.28g弾です。HOPの強度をさらに強めたので0.25g弾時よりもややパワーダウンしていますが弾道はフラット、ボルトアクションのVSR-10 シリーズと並ぶ性能です。

 

被験者の感想「やめて~(涙)」

 

パワーは0.2g弾の時と殆ど変わらない(0.79J)のに痛みは0.25g弾よりも断然上、じっとしていられずに悶える様子を見た射手(妹のイン子)も面白がって撃つのを止めてくれません。結局20発ぐらい撃たれたところで実験は終了しました。

 

 

まとめ

弾速計で測る数値は必ずしも被弾時の痛みを示している訳ではありません。でもそれを低く抑えることができるのが重量弾、空気抵抗で失われる運動エネルギーを低く抑えることができるのです。そしてその重い弾に強いHOPを掛けて尚且つパワーの低下を最小限に抑えるのが "流速カスタムで、つまりはこのカスタムの魔法のような特性=” 当たると痛いセッティング" という訳です。

いくらパワーを上げてもそれが軽い0.2g弾でしか発揮できないのであれば無意味、「俺のは初速○○m出てる」なんて意味不明な言葉(弾速の単位はm/sです)を発している人には分からないかもしれませんが0.28g弾ってあたると痛いんですよ(笑)

 

*ベースガン:S&T M4A1 施工メニュー「パワーカスタム流速」

水平射飛距離60m ~

有効射程距離65m~ 

最大到達距離85m~

以上、「被弾感覚の違い」をお伝えしました。

 

 


HFC134aと152aガスの比較

2023-02-02 14:50:20 | 実験&考察(エアガン)

私が初めてガスガンを買った頃のガスと言えばフロン12(CFC12)、それがオゾン層に穴を開けるとか言われ始めて登場したのがHFC134a(以下、134a)で、その134aも今では地球温暖化に影響があるとかで、これからはHFC152a(以下、152a)や色々混ぜたハイブリットガスに順次替わっていくようです。

という訳で今回は ↑ この2種類のガスの性能を比べてみたいと思います。左は「ウッドランドBBガス(フジカンパニー)」、特に拘りはありませんが安いので何となく昔から使ってる134aガスです。そして右が152aガスの「ハイバレットガス(ライラクス)」になります。

黒い缶で何となく凄そうなイメージですが152aは134aよりも少しガス圧が低く、気温25℃時の飽和蒸気圧(気化したガスの圧力)が11%程度低くなるそうです。また冷えやすく連射するとパワーの低下が激しいなど調べた限りではあまり良い印象がありません。

不燃性の134aに対して152aは可燃性、温暖化係数は134aに対して1/10程度と一見すると環境に優しそうですがCO2(炭酸ガス)と比較すると140倍(汗) でもいくら環境優良児でも10倍以上の圧力があるCO2をエアソフトガンに直接充填して使うのは法的にもかなり微妙なので、この辺が代替えガスとしては無難になるのかもしれません。

比較に使ったのはKHC(啓弊社)の「 MOD.92F(M92F MODEL・モデル)」、固定スライドタイプのガスガンです。サイレンサー仕様にしたのを以前に紹介しましたが、あれから普通の銃口っぽいアダプターを作ってみました。もちろんアダプターを変えればサイレンサーも取り付けれます。

買った時からインナーバレルは1cmくらい短くなっていましたし、加えてガスルートを拡大とハンマースプリングのテンションも変えて(弱めて)ありますのでノーマルとは全く違った特性になっていると思われます。

↑ では室温の22℃から始めます。画像の左が152a、右は134aです。マガジンの表面温度を非接触型の温度計で確認してから0.25g弾を使ってそれぞれの初弾を計測しました。

HFC152a 0.81J  HFC134a 0.76J

あれ?なぜか152aの方がパワーありますね~、ガス圧は134aの方が高いはずなのでちょっと意外です。パワー差は6.5%になりました。

↑ 続いて30℃までマガジンを温めて測定します。ヒートガンを使って加熱してから同条件で計測しました。

HFC152a 0.91J  HFC134a 0.86J

ガスの違いによるパワー差は5.8%と22℃時と同程度、上昇率も152aが12.3%で134aは13.1%でした。

↑ 35℃時の計測結果、計測方法は同じです。

HFC152a 0.94J  HFC134a 0.84J

ガスの違いによるパワー差は11.9%、温度による比較(22℃時)は152aが16.0%で134aは10.5%の上昇、134aは30℃での計測時よりもややパワーが下がっています。

↑ 40℃での計測結果、こちらも計測方法は同じです。

HFC152a 0.88J  HFC134a 0.82J

ガスの違いによるパワー差は7.3%、温度による比較(22℃時)は152aが8.6%で134aは7.8%の上昇、30℃時に見られたパワーダウンが152aでも発生しました。

最後は連射による冷えの影響を見てみます。0.25g弾を使ってマガジン温度30℃で0.5秒程度の間隔をおいて4発続けて発射してみました。(ジュール表示が出ないので弾速で見ていきます)

最高値 82.1m/s(0.84J)  最低値 80.87m/s(0.81J)

まずは134aからです。最高値の3発目と最低値の2発目の差は1.6%、冷えによる弾速のばらつきは特に確認できません。予想はしていましたがガス消費量の少ない固定スライドガスガンは電動ガン並みに安定した弾速のようです。

そしてHFC152aでの結果は・・・こちらもそこまでの変化はないようです。

最高値 85.79m/s(0.91J)  最低値 84.64m/s(0.89J)

最高値の1発目と最低値の3発目の落差は1.3%でむしろ134aより少な目、1~3発目は徐々に低下しているので冷えの影響が出ているとも言えますが、4発目ではまた高い数値が計測されており誤差の範囲内とも言えます。

 

総評

単純なガス圧だけであれば134aに対して11%低くなる152aですが、実際には最大値で12%も高いパワーを発生させていることが分かりました。152aのパワーが高いのはガス圧が低いことでバルブ開度が大きくなり圧力低下を補う以上の流量でガスが放出されたのが原因ではないかと思われます。また134aのパワーが温度の変化に対して安定していたのも高温時に圧力が高くなりすぎてバルブの開度が制限されてしまったことが原因です。

連射テストで冷えによる影響を明確に確認できなかったのは、テストに使用したのが燃費の良い固定スライドガスガンだったからであり、遥かに多くの(一般に5~7倍程度)ガスを消費するガスブローバックを使えばまた違いが出るのかもしれません。

もっと寒い時のデータも計測したら良いのかもしれませんが、冬の屋外などでは僅かな性能差を気にするよりも銃やマガジンを温めながら使った方が手っ取り早いですし、常温では152aガスもとりあえずは使えそうなのでひとまずこのテストは終了します。

 

以上、HFC134aと152aガスの比較テストの様子をお伝えしました。

 


流速カスタムのウソとホント

2023-01-18 13:07:34 | 実験&考察(エアガン)

銃刀法が改正された2006年以降”同じパワーでも飛距離が伸びる魔法のカスタム” として注目されてきた流速カスタム・チューンですが、それをめぐっては賛否両論色々な説が未だに飛び交っています。今回はそんな流速カスタムにまつわる噂の真相を私の独断と偏見に多少の経験を加えて話してみたいと思います。

1,「流速カスタムは飛距離が伸びる」

 ウソです。

たぶんこれが要(かなめ)の話になるんじゃないかと思うのですが、流速カスタムを施工しただけでは飛距離は伸びません。もちろん正しく施工された電動ガンやエアコッキングガンはノーマルと比較にならないくらい伸びるのですが、それには ”重量弾” を発射する必要があるのです。

軽い弾はバレル内での加速が容易で発射直後の弾速も速くなりますがその分すぐに失速してしまいます。対して重い弾は加速させるのが難しい反面、蓄えたエネルギーを長く保てる特性があるので距離が離れてもまだ力は残っているのです。そしてこの余力を生かして飛距離を伸ばすのが流速カスタムです。

ただ0.20g弾に流速カスタムを組み合わせても全く恩恵がないのかというとそうでもなく、ノーマルよりも揚力(HOP)を強く発生させることができる流速カスタムの弾道はより直線的になって狙い易くなります。

2,「流速カスタムは当たると痛い」

 ホントです。

これも運動エネルギーの残存率が弾の重さによって違うからなのですが、銃口直後のパワーが同じでも距離が離れるにつれて大きく失速する軽い弾と失速しにくい重い弾とでは着弾時のパワーも違ってくるのです。

例えばノーマルセッティングのエアガンで40m程度の距離からフルオートで0.20g弾が何発もヒットしても「ん?」ぐらいにしか感じませんが、これが流速カスタムで発射された0.30g弾だと50mで一発くらっただけでも「あ、くそ~」ぐらいしっかり認識できます。「おまえの銃、オーバーパワーだろ」なんて言いがかりつけてくる人もいるくらいですから確かに違いはあると思いますよ(汗)

 

3,「流速カスタムは命中精度が悪い」

 微妙です。

流速カスタムは射出力を上げるのにバレルを短くカットするので理論上の精度は低下することになります。が、感触的にはバレルが短くてもある程度の精度は維持できるみたいです。

例えばマルイのVSR-10GスペックやM40A5などは300mm程度の長さしかありませんがサバイバルゲームでスナイピングを行うのには十分な性能があります。逆に600mm近くあるPSG-1やドラグノフが最高の精度を誇っている訳でもなく、経験的にはバレカット(短いバレル)=精度低下とは一概に言えないようです。

もっともスナイパーライフルに施工する流速カスタムともなると最高の精度も求められますので、この場合は手間が余分にかけてでもバレルカットを行わない精度重視のセッティングを行うようにしています。

4,「流速カスタムは耐久性が低い」

 ウソです。

たぶんメカボックスを割ってしまうような強引なセッティングしかできない人は単純にヘボなチューナーだと思います。あとFETや電子トリガーを入れないとスイッチを焼いてしまう人もかなりヤバいです。

海外仕様の電動ガンはノーマルでも1.5~2J程度のパワーがありますがメカボックスの強度やスイッチは特別なものでなくても十分に作動しています。つまりこれを壊したり焼いたりする人はフルパワーの海外仕様以上の負荷をかけていることになり、だから壊れるのではないでしょうか。

 

5,「流速カスタムは音が大きい」

 ホントです。

ノーマルより短いバレルで加速する流速カスタムはパワーを得るのに強いスプリングを必要とするので発射音が大きくなってしまいます。でもそれがよく言われる「爆音」になるかどうかはセッティング次第で、静音材を使用したりシリンダー容量を適正に調整すれば実射性能を落とさなくてもノーマルと同程度に抑えることは可能です。

 総評

他にも探せばいくらでもある流速カスタムに関する話、「BB弾を発射時のエアーが包んで空気抵抗を減らす」とか「強いHOPが弾速計で計測できない謎パワーを発生させている」なんてのはバカらしくて思わず笑ってしまうのですが、逆に「弊害の方が多い」とか「ノーマルで十分」なんて言う話も未熟なチューナーの言い訳でしかないような気がします。

ところで私の作る流速カスタムには人には言えない秘密の技術が投入されているのですが、それには「異星人のUFOテクノロジー」が応用されているのでそこらのカスタムガンとは一味違う性能が出せるんです(笑)

 

以上、流速カスタムのホントとウソについてお伝えしました。

 


最大パワー発生ポイント

2022-10-27 00:29:40 | 実験&考察(エアガン)

今回は流速カスタムの最大パワー発生ポイントについて、完成した「BOLT MP5A4 Tactical パワーカスタムβ」を使って説明してみたいと思います。

流速カスタム・流速チューン(以下、流速カスタム)を私が一言で表すとすれば「重量弾に適切なHOPとパワーを与えるセッティング」、制限のあるパワーを如何に効率よく生かせるかがこのカスタムのカギとなります。

0.20g弾ゼロHOP時のパワー 画像左:ノーマル 画像右:パワーカスタムβ

一般的なパワーの計測は0.20g弾を使いゼロHOP時状態で行われることが多いのですが、このデータを見る限りでは流速カスタムもノーマルと大差はありません。

0.28g弾HOP適正時のパワー 画像左:ノーマル 画像右:パワーカスタムβ

しかし0.28g弾にHOPを掛けて計測してみるとその違いが現れます。適正なHOPを掛けるのに強い摩擦力が必要な重量弾を使うとパワーダウンしてしまうノーマルに対して逆に上昇するのが流速カスタムの特徴で、飛距離が伸びたり被弾感覚が強くなるのも”単なる気のせい”でないことが分かります。

:パワーカスタムβ 0.30g弾HOP適正時のパワー

「それじゃパワーが際限なく上がって危ないんじゃないの?」

 勿論そんなことはありません。

今回施工した「パワーカスタムβ」は0.28~0.30g弾の使用を想定したセッティングです。0.28g弾HOP適正時に最大パワーを発生させますが0.30g弾HOP適正時にはやや下がり始めるので、”0.2g弾 98m/s以下(0.96J)”などの一般的なレギュレーションにも十分対応できているのがお判り頂けるかと思います。

パワーが下がってしまうのを見るのはちょっと寂しいですが流速カスタムにおいてこれは重要な特性で、例えば最大HOPで最大パワーが発生するようなセッティングにしてしまうと実際の使用状況(適正HOP時)に十分なパワーが発生しないことになります。

つまり無限にパワー上昇してしまう流速カスタムよりも、適当なタイミングでパワーダウンしてしまう流速カスタムの方がレギュレーション的には有利だと言えるのです。

最大パワーの発生ポイントを狙いどおりに設定するのは流速カスタム最大の難関、パワーの強弱はスプリングの強度で調整できますがピークはバレル長や内径、シリンダー容量や機構の気密性なども考慮する必要があり組み合わせは無限大です。

私の場合も大まかなセッティングは過去の経験からある程度推測できるのですが施工する個体にベストな施工内容は毎回違ってくるのが実際で「経験がモノを言う」なんてカッコよく表現もできますが毎回ドキドキしながらやってるのが本心だったりします(笑)

バレルカットでパワー調整してる人が「成功した流速は・・・」なんて自慢するのはこの辺の理屈が今一つ理解できていないからだったり、HOPを適正以上に上げれないよう固定するのも帳尻合わせに仕方なくやっていること、こっそりレギュレーショ違反するなんてのは論外です。

”重量弾に適切なHOPとパワーを与えるセッティング”、単純なようで意外と難しいこの難題をクリアした時のみ流速カスタムは本来の特性が発揮できます。そしてこのBOLT MP5A4 Tacticalも紆余曲折ありましたがそんな優れた流速カスタムの一丁として生まれ変わることができました。

以上、流速カスタムの最大パワー発生ポイントについてのお話でした。

 


高温パワーテスト

2022-07-08 03:45:52 | 実験&考察(エアガン)

そろそろ暑くなってエアコンの季節、そして気になるのがガスガンのパワーです。 ブローバックモデルならスライドの動きが多少良くなるくらいですが、元々がハイパワーな固定スライドで、しかもいじくり回したカスタム仕様などは特に気をつけないといけません。

そんな訳で今回は基本構造が同じでセッティングの異なる2丁のフィクスドスライドガスガンを使って、温度によるパワーの変化を見ていきたいと思います。

↑ まずはウェスタンアームズのM6904をベースにしたカスタムガン(以下、WA)、スライドとグリップを切り詰めたキャリーガンながら高い実射性能を併せ持つ私のお気に入りです。パワー系のカスタムに加えて高温時には不要なパワーの上昇を抑えるリミッター機能も持たせてあります。(画像右のデータです)

↑ そして比較するのはBWCのM6904(以下、BWC)、前述のWA M6904と同じ基本構造ながら高圧ガスを使うために強力なハンマースプリングが組み込まれた海外製のガスガンになります。日本仕様として流通している製品なのですが、その重いトリガープルは昔の”極悪改造ガスガン”を思い出させるフィーリングで何となくヤバい気もしますがどうなるでしょうか・・・(画像左のデータです)

 

↑ という訳でさっそくテストに入ります。まずはエアコンが効いた室温の28℃、温度はマガジンの表面温度を非接触型温度計で計測し、HFC134aガスと0.25gBB弾を使います。

WA M6904カスタム 0.71J/0.25g弾

BWC M6904 0.58J/0.25g弾

WAはこの気温で既に長物電動ガン並みのパワーがあります(0.2g弾換算84.2m/s)、対するBWCは一般的なガスハンドガン並み(0.2g弾換算76.1m/s)で意外と普通でした。

↑ 続いて31℃、これは初夏の気温といったところでしょうか、マガジンを手で温めて計測しました。

WA M6904カスタム 0.80J/0.25g弾

BWC M6904 0.71J/0.25g弾

28℃時に対してWAが111%でBWCは112%と両機種共に同程度の上昇を確認できました。わずか3℃でも違いが出るようです。

 

↑ 次は真夏の屋外を想定した36℃、ちなみに警視庁が示したガイドラインでは35℃以下で0.989Jが上限とされていますのでこの温度で問題がなければ適法品となります。 ヒートガンでマガジンを温めて計測しました。

WA M6904カスタム 0.94J/0.25g弾

BWC M6904 0.88J/0.25g弾

どちらも規制範囲内で問題ないようです。31℃時に対してWAが約117%でBWCは123%と上昇率に少し違いは表れましたが、ここまでは両機種共に気温の上昇に合せて順当にパワーを上げてきています。

 

↑ では更に高い温度ではどうなるのでしょうか。続いては40℃、炎天下に銃を屋外で放置したような状況です。

WA M6904カスタム 0.92J/0.25g弾

BWC M6904 1.02J/0.25g弾

ちょっと面白い結果がでました。BWCは36℃時に対して115%と依然パワーが上がるのに対してWAは逆に97%と少し下がっています。BWCは1Jを超えていますが前述したとおり35℃以下で基準内に収まるのでこの状態でも合法です。

 

↑ 次は炎天下の車内に銃を置き忘れた時を想定した45℃、マガジンを手に持つとかなり熱くなっています。

WA M6904カスタム 0.91J/0.25g弾

BWC M6904 1.12J/0.25g弾

リミッター機能によりガス圧の上昇に合せてバルブの解放面積を抑えるWAのパワーはほぼ横ばいですがBWCはさらにパワーが上昇しました。ただBWCも上昇率は前回40℃から109%と少なくなっていますのでこの辺がピークのようです。

 

↑ 最後は50℃、これ以上は樹脂パーツが変形しそうなので怖くて温められません。マガジンも熱くて素手では持てなくなっています。

WA M6904カスタム 0.91J/0.25g弾

BWC M6904 1.02J/0.25g弾

依然WAはリミッター機能が働いてほぼ横ばい状態、BWCもピークを過ぎて45℃時に対して91%とパワーダウンしてしまいましたのでテストはこの辺で終了です。

 

総評

昔ガスガンを夏の車内に置き忘れて撃てなくなった経験がある方なら納得の結果かと思いますが、気化効率とパワーは必ずしも一致しません。なぜなら高い内圧のバルブを解放するのにはそれに応じた強い打撃力も必要なのですがハンマースプリングを指の力で圧縮するのにはその強度にも限界があるからです。

この特性をレギュレーションや法規に合わせてセッティングしているのが私がカスタムしたWA M6904カスタムであり、常温ではノーマルよりもハイパワーながら高圧時にはバルブの開閉量を抑えてパワーの上昇を抑えることで適法性も両立していることが今回のテストで確認できました。

↑ またBWC M6904についてもこのテストの後で同様の加工を行っています。いくら合法でもMAX1.1Jなんてパワーはやはり気持ちが悪いですから・・・、加工後は高温時でもちゃんと規制内のパワーに収まるようになっていますのでご安心下さい(笑)

以上、高温パワーテストの様子をお伝えしました。