レプリカの固定スライドガスガン ブローニングM1910 をベースにしたカスタムガンのご紹介です。
「レプリカ」??、ちょっと聞き慣れないメーカーですがこれマルシンのことです。同社が節税対策で作ったメーカーで初期のM1910もこのブランド名で販売されていました。昔はみんな儲かってたんですね~
左:補修前 右:補修後
M1910は今でも根強い人気があって状態の悪い中古でも新品価格以上で取引されてたりしていますが、今回ベースとした個体はチャンバー部分にあるBB弾を保持する爪が折れてしまってまともに弾が発射できるような状態ではありませんでした。あと当時のマルシンは口径がちょっと大きめの専用弾(6.1mmらしいです)を使っていたので普通の6mmBB弾との相性が悪いのも有名で、この個体に限らず昔の製品をちゃんと動かすには色々な補修や調整が必要となります。
ガス漏れもありました。パッキンが劣化するとガスが漏れたり注入しにくくなるのはガスガンの宿命とも言えますが、その辺のメンテナンスがきちんとできれば古くても使える個体はちゃんと動きます。
左:ガスタンク温度28℃ 右:同36℃時
撃てるようになったのでノーマル時のデータを測ってみます。結果はガスタンクの温度が28℃の時に0.45J(0.2g弾の弾速で67.1m/s)と思ってたより良い数値です。当時の高級モデル(MGCやWAなど)も似たようなものでしたし、現行のガスブローバックハンドガンでもこのくらいの製品は多いんじゃないでしょうか。私はこんなもんじゃ満足しませんが・・・
ノーマルでもソコソコ優秀なM1910でしたがイジってあげれば更に良くなります。バルブとガスルートへの加工はパワーアップの王道チューンです。
シアー調整も定番の加工で、適正な形に整え直すことでトリガープルの重さやガサガサした感触を改善することができます。
でもハンマースプリングを弱くする時だけは注意が必要、単純に弱めると気温が高くなってガス圧が上がった時(夏場など)にバルブを開けることができなってしまいます。チューニングを行う際は局部的な性能だけではなくトタルバランスを考える必要があるのです。
この世代のモデルにはHOPも入っていませんので新たに追加しました(上下逆に写っています) 固定HOPは気分で弾の重さを変えるような人には不便ですが、可動部分がないので安定した弾道を得ることができます。
左:ガスタンク温度28℃ 右:同36℃時
完成したM1910パワーカスタムのスペックはこんな感じです。ノーマル比139~154%のパワーアップを図りながらトリガープルも2/3程度に抑えることができました。
中型サイズハンドガンながら性能は長物電動ガン並み、このM1910の価値は希少性ではなく実射性能の高さにあります。”古いモナカの銃” だから性能が悪いとは限りません。CO2仕様のガスブローバックモデルとガチ勝負できるM1910なんてたぶん日本中でこの一丁だけだと思いますよ(笑)
水平射飛距離55m~
最大飛距離75m~
0.25~0.28g弾推奨
以上、レプリカ ブローニングM1910 パワーカスタムのレビューをお伝えしました。