古いレンズを分解していくシリーズ第4弾
マルゼンの固定スライドガスガンPPK/Sのカスタムレビューです。
”固定スライドガスガン=低性能な旧式銃” なんて思っていませんか?確かに最近はあまり新製品が出ないので旧式感は否めませんが、スライドが動かないからといって決してブローバックモデルと比べて性能が劣っている訳ではありません。
マルゼンのPPK/Sが登場したのは今から30年程前、前回のマルシンP88よりも少し前ぐらいです。十分なパワーに高い命中精度、それを小型モデルで成立させた秀作の固定スライドガスガン・・・だった筈なのですが、私が買った製品ではちょっと事情が変わっていました。
HOPを搭載したことをメーカーは強く宣伝していましたが、それはバレルに開けた大きな穴からアイアンクローよろしく鉄の爪でBB弾をひっかいてバックスピンさせるとんでもないシロモノ、旧仕様より大きく下がった集弾性能やパワーでPPK/Sはめでたく「クソ銃」の仲間入りを果たしていました。
でもまあ5.000円ぐらいだしPPK/Sなんだからという理由で何となく買ってしまった私でした(汗)
画像左:表面 画像右:裏面
ちょっと余談になりますが弾速計が高価だった時代には空き缶でパワーを計測するのが一般的でした。手に持った缶の真ん中に垂直に打ち込んで「○○は2発で貫通」とか「俺のは裏に亀裂が入った、もう少しで両面貫通するぜ」なんて感じです。
久々に試した空き缶パワーチェックの結果はご覧のとおりです。PPK/Sはビールの缶であれば一発で両面貫通、缶が厚いコーラでも表面を貫通して裏面に凹みをつけるぐらいの貫通力があります。
もちろん缶の厚みが飲み物の種類や製造ロッドによって異なったり、慣れた人とそうでない人でも結果は違ってくるので参考程度にしかなりませんが、まあ決して弱い方ではないと思いますよ(笑)
HOPもちゃんとしたものに改修すれば命中精度だってトップクラス、それがPPK/Sの隠れた実力なのです。
と、ここで冒頭の「クソ銃」の話に戻ります。
A「その銃はクソや」
それはある夏のゲームの昼休み、昼食後に一服していた私にAが放った非礼な一言から始まります。奴が腰にぶら下げていたのは2万円を超える当時の最新鋭ブローバックモデル、私のPPK/Sをバカにしながら自分の銃がいかに優れているかの講釈が続きます。
私「じゃあ、”決闘” してみようか」
5~7m離れた二人がウェスタン映画の対決シーンよろしく撃ち合うこの「決闘ごっこ」は仲間内で流行っていた遊びの一つですが、私がこのままAを生かして帰すはずがありません。
のどかな昼休みは一変、ギャラリーが周りを囲むと決闘の開始です。お互いゴーグルを被ってスタンバイ、でもPPK/Sの実力を知らない奴は無謀にもTシャツのままでした。
私 「当たると痛いから何か着たら?」
A 「別にいい」
ジャッジの合図でスタート、Aがベリっとマジックテープの音を立てながら安物ホルスターから銃を抜くよりも速く、私のPPK/Sは初弾を放っていました。
A「うっ」
薄いTシャツ越しに皮膚に食い込むBB弾、痛みで思わず膝をつくAでしたがムカついてるのでもう一発!
私「だから痛いって言ったのに~♪」
慣れた手つきでホリゾンタルタイプのショルダーホルスターにPPK/Sを収めながら、わざとらしく声をかける私はフェイスガードの下で思いっきり笑っていました。
以上、マルゼンPPK/Sパワーカスタムのレビューをお伝えしました。
古いレンズを分解していくシリーズ第3回