ハネっちのミリブロ?

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WA M6906 パワーカスタム

2023-08-26 11:59:13 | フィクスド・固定スライドガスガン

ウェスタンアームズの固定スライド(フィクスドスライド)ガスガンS&W M6906へのカスタム施工の様子をお伝えします。

M6906はいわゆる「キャリーガン」と言われるセグメントのハンドガンです。キャリーガンとしては同じS&Wでもボディーガード380などの方がコンパクトにはなるのですが、エアガン(エアソフトガン)のM6906は小ささよりも実射性能に重点を置いた製品なので、他のフルサイズハンドガンと同等、いや最強クラスを狙ってカスタムしたいと思います。

 

左:マガジン温度28℃  右:同36℃時

とは言えメンテナンスを行ったぐらいではマルイのボディーガード380と大差ありません(その前はもっと酷かったのですが・・・)。ノーマルで比較するのであればマルイのを買った方がいいのですが、そこには秘められた性能があるのです。

 

固定スライドガスガンのことを「スライドが動かない旧型or安物」なんてバカにする人もいますが、それこそがの最大の長所で、スライド作動に力を奪われない分パワーに振ったセッティングができるのです。という訳でバルブを加工してガス流量を増やします。

 

増えたガス流量を効率的に活用するにガスルートの拡大も欠かせません。マガジン上部にある給弾ノズルの内径を大きくすることで相乗的なパワーアップを図ることができます。

 

いくらパワーがあっても飛距離が短くては物足らないでしょう。昔のエアガンにHOPは入っていませんので新たに固定HOP も追加しました。可変HOPもいいですがハンドガンではシンプルな構造で気密性能が高い固定HOPの方がパワーロスは少なくなります。併せて内径の狭いバレルにも交換しました。

 

あと実射性能には関係ないのですがセイフティーの動きが渋かったので調整もしました。メッキが施されたモデルはその分の厚みで可動部の動きが悪くなる傾向にあるので、ついで分解したついでにやっておきます。

 

左:マガジン温度28℃  右:同36℃時

という訳でカスタム施工後のスペックです。28℃時で178%、36℃時は212%の各パワーアップに成功しました(メンテナンス前は0.12Jしかなかったのでそこからは600%以上になります)。ここまで性能を出しながらもトリガープルはノーマルのまま、ハンマースプリングは強くしていません。

 
長物電動ガン並みのパワーと飛距離がありながらガス消費量はガスブロの1/3程度、弾も20発入りますし、切り詰められたスライドとグリップからは想像できないような性能を発揮するのが「WA M6906 パワーカスタムなのです。
 
 
以上、WA M6906 パワーカスタムの施工の様子をお伝えしました。
 

KHC mod.92(後期) パワーカスタム

2023-08-21 11:21:14 | フィクスド・固定スライドガスガン

KHC(啓弊社)の固定スライドガスガンM92Fモデルをベースにしたカスタムガンのご紹介です。

KHCのフィクスドM92Fには前期と後期の2種類のモデルが存在しますが今回は後期モデルがベースです。後期モデルの中身は前期と完全に別物で構造的にはMGCのM92Fなんかとよく似た造りになっています。

 

と、その前にガス漏れを修理します。前の持ち主の人も色々やってたみたいですが、「コーキング類やシールテープでガス漏れが直る」なんて話はネットのデマですから・・・(*画像は悪い修理例です)

 

左:トリガー速く  右:トリガーゆっくり

補修が終わったのでパワーを測ったのですが、ちょっと微妙な結果がでました。0.2g弾の初速で88m/sは固定スライドらしい数値なのですがトリガーをゆっくり引くと大幅なパワーダウンが起きるようです。トリガープルも重いというか動きが渋く、せっかくリアルになったセイフティーも機能していません。別にどこか壊れている訳ではないのでたぶんノーマルはこんな性能みたいです。 *HFC134aガス使用、マガジン温度28℃時計測

 

そんな訳でとりあえず作動調整してみます。パーツを一旦分解してからパーツクリーナーで洗浄に再グリスアップ、シアーの切れるタイミングを調整して途中で引っ掛かっていたハンマーはちゃんと動くようになりました。打撃力にも余力ができたのでハンマースプリングも弱くして、もちろんセイフティーも直します。

 

バレルとHOPは既存の物を使いました。開口部を広げてHOPの出面を増やすことで重量弾にも対応できる性能を与えています。

 

ノーマルのトリガーがやたらに重いのはこの大型のバルブを開くのに大きな力が必要だからですが、初期流量を増やす加工を施して少ない力でも十分なガス流量を確保しています。

 

仕上げはガスルートの縮小です。色々やったらオーバーパワーになってしまったのでノズルを絞ってパワーを適正な数値に抑制しました(汗)

 

左:マガジン温度28℃時  右:同36℃時

↑最終スペックはこんな感じです。固定スライドガスガンらしいパワーにトリガープルもマルイSOCOMぐらいにまでは軽減(ゆっくり引いてもパワーは同じ)、もちろん飛距離も長物電動ガン並みです。

 

ハイパワーに物を言わせた実射性能の高さはガスブローバックや電動ハンドガンには真似できないフィクスドスライドガスガンならではの長所、アヒルも納得?の質実剛健なサイドアームが完成しました(笑)

水平射飛距離 55m~(0.25~0.28g弾)

最大到達距離 75m~(0.25~0.28g弾)

以上、KHC mod.92(後期) パワーカスタムのレビューをお伝えしました。

 


MGC ベレッタM92F パワーカスタム2

2023-04-20 00:42:21 | フィクスド・固定スライドガスガン

MGC ベレッタM92Fへのカスタム施工の様子をお伝えします。

見てのとおり今回のベースガンはパッキンが破れていました。おそらく分解の方法が分からなくて「引っぱったら裂けちゃった(涙)」 みたいな感じなんでしょうが、こんなパーツでも新しい物が手に入らないので修理ができなくなるのがビンテージガンの泣き所です。 

画像左:買ったまま  画像右:テープで修理

とりあえずテープを巻いて応急処置をしてみました。0.04Jしかなかったパワーが0.37Jまで回復しましたが、たぶんバルブをイジったら一発で裂けるんじゃないかな(汗) もっとちゃんとした修理が必要なようです。 *マガジン温度28℃、HFC134aガス使用

という訳でYouTubeで「チャンバーレス化」なるものをやっている方がいたので今回はそれを参考にバレルを新しくしてみる事にしました。使用したのはマルゼンのイングラムM11用カスタムバレル、内径はマルイの電動ガンでもおなじみの6.08mmです。

この工法でバレルを新しくするとバレルがチャンバーの役目も果たすことになります。バレルの後端がBB弾の給弾とマガジン上部にあるガス放出口の密閉をチャンバーの代わりに行っている様子がお分かり頂けるでしょうか?

バレルが完成したのでバルブの加工に入ります。ノーマルのままでは今のガスブローバックと大差ない性能ですがバルブ加工でパワーが跳ね上がるのが昔の固定スライドガスガンの特徴、劣化しているパッキン類交換も併せて交換しています。

今回のHOPパッキンには飛距離を伸ばす他に発射前の弾を保持する役目も加わります。固定タイプですが0.25~0.28gのBB弾の使用を想定しており実射テストでは銃を水平にした状態で約50m、少し角度をつけた状態で70m程度の飛距離が確認できました。 *性能は諸条件により変化します。

画像左:マガジン温度28℃時0.25g弾  画像右:同36℃時0.28g弾

最終スペックはこんな感じになりました。マガジン温度28℃時のパワーは0.74J/0.25g弾(0.2g弾換算86m/s)は買った時とは比べるまでもありませんが、応急処置後と比べても2倍近くのパワーアップとなっています。

真夏を想定したマガジン温度36℃時の最大パワーは0.92J/0.28g弾(0.2g弾換算95.9m/s)、軽い弾よりも重い弾の方がパワーや飛距離で有利になるのは電動ガンの流速カスタムにも通じる特性です。

ノーマルと比べて2倍のパワーに3倍の飛距離、最新のガスブローバックモデルにだって実射性能では負けません。「昔のガスガンなんてショボい」なんて思ってるのなら是非これに撃たれてみて下さい(笑) 封印の解かれた古代兵器が新たな獲物を求めて再起動します。

 

以上、MGC ベレッタM92Fへのカスタム施工の様子をお伝えしました。

 


WA コルトゴールドカップナショナルマッチ パワーカスタム

2023-03-29 03:05:01 | フィクスド・固定スライドガスガン

ウェスタンアームズの固定スライド(フィクスドスライド)ガスガン コルトゴールドカップナショナルマッチ5inをベースにしたカスタムガンのご紹介です。

ビンテージ物のエアガン(エアソフトガン)を買うとその大半はどこか壊れています。このゴールドカップも「問題なく撃てます」と書かれてた割には、マガジンからガス漏れの音は聞こえるしトリガーの動きも悪くパワーも10禁モデルぐらい・・・、まあ約30年という経年を考えるとそんな物なのかもしれませんが ”動く” と ”使える” はどうやら違うようです。

ガス漏れ対策に硬くてパリパリになっていたパッキンを新しい物と交換、各部の作動を回復するのには全てのパーツを一度分解して大掃除する必要がありました。ちゃんと撃てるようにするだけでもビンテージガンは手間がかかります。

マガジン温度28℃時 HFC134aガス使用

ガス漏れを直して作動もスムーズになったところでノーマル時のパワーチェックです。マガジン温度28℃で0.40Jは当時の自主規制値と同じくらいですので元々の性能は回復できたのではないかと思います。

ではカスタム施工に入ります。「WAはMGCと比べてパワーが上げにくい」なんて話を昔はよく聞いたのですが、それはバルブユニットをカスタムパーツに交換するだけで済むMGCに対して、WAがいちいちマガジンを加工しないといけないからなのかもしれません。もっとも今となってはカスタムパーツなんてどちらも手に入りませんので今回の施工でもワンオフ加工が基本となります。

HOPがエアガンに搭載され始めたのはガスガンの主流がブローバックタイプに移行した頃でもありました。サバイバルゲームのサイドアームも多くがこのタイミングでブローバック化されることになりますが、単純なパワーや命中精度といった実射性能はむしろ固定スライドモデルの方がポテンシャルは高く、このゴールドカップもHOP化してやれば本来のポテンシャルを発揮できるようになります。固定HOPですので0.25~0.28g弾の使用をお勧めします。

性能には直接関係ありませんが銃口部分を広げてそれっぽく加工してみました。あとインナーバレルの短縮化はパワー的にギリギリになってしまう対策も兼ねています。

画像左:マガジン温度28℃時    画像右:マガジン温度36℃時

完成スペックはこんな感じです。ノーマルと同条件の28℃時でパワーは0.75J(0.2g弾換算86.6m/s)はノーマル比187%、マガジン温度36℃で0.89J(0.2g弾換算91.8m/s)を発生します。やっぱり死んでも撃ってくるゾンビ野郎はこのぐらいないと倒せませんよね(笑)

メタルフィニッシュと言われる二重にメッキされた仕様は手間が掛かりすぎるので今はなくなってしまいましたが、このゴールドカップにはそんな懐かしい表面処理も施されいます。「黒い1層目のメッキが剥がれると下にあるシルバーの2層目が見えてきて使いこまれてブルーが剥げた銃に見える」んだそうですが確かにそんな感じにも見えるんじゃないでしょうか?

そんな訳で昔懐かしい大年の名機が・・・いやいや最新モデルにも負けない高性能な固定スライドガスガンがまた一つ復活しました。

 

以上、WA コルトゴールドカップナショナルマッチ へのカスタム施工の様子をお伝えしました。

 


SⅡS SOCOM MK23 パワーカスタム

2023-03-08 18:28:52 | フィクスド・固定スライドガスガン

S2Sの固定スライドガスガン SOCOM MK23へのカスタム施工の様子をお伝えします。

「ハッシュパピー」と呼ばれたMK.22 MOD.0 はベトナム戦争で米軍特殊部隊が使用していたサイレンサー搭載型のハンドガンです。亜音速の45ACP弾を使ったその銃は静かで強力、音もなく敵の歩哨がバタバタ倒れる様子を”餌を与えられておとなしくなった番犬”に例えた悪趣味なジョークは有名な話ですが、同様のコンセプトで開発されたのが実銃のSOCOM MK.23です。

まずはS2S SOCOM MK.23(以下、MK.23)の性能をチェックしてみます。パワーはマガジン温度28℃時に0.55J(0.25g弾、134aガスで計測)で、0.2g弾の弾速に換算して74m/sはバックアップ用としては十分な性能ですが、長物電動ガンを持った歩哨(敵ゲーマー)を確実に倒すにはやや頼りない気もします。

HOPの弾道が素直で命中精度も良好なのはさすがマルイMK.23のクローンモデルといったところですが、トリガープルがぎこちないところまでそっくりです。

という訳で最初のカスタムポイントはトリガーフィーリングの改善です。と言っても既存のスプリングは十分に柔らかいのでこれ以上の弱化は作動の安定性を損なう恐れがあります。そこで代わりに行ったのがマガジンリップ部分のフリクション軽減、BB弾が滑らかに給弾されるとトリガープルもスムーズになるという訳です。

サイレンサーはそのままでは使えませんでした(汗) 発射されたBB弾が中の部品に僅かに接触しているようで着弾点が少しズレてしまいます。ネジ部分のバリ取りを行いOリングを追加して正常に使えるようにしましたが、この辺は個体差があるのかもしれません。後述しますが消音性能自体はマルイ製よりも高いような気がします。

トリガーが滑らかになったら次はパワーアップです。固定スライドガスガンはクラスレスなパワーを引き出せる潜在能力の高さが特徴、”スライドが動かない旧型” なんて単純に決めつけるのは早計です。

マルイSOCOMにはカスタムバルブも発売されていますが、それらは静音性や燃費向上を主眼に置いているようですので私は純然とパワーUPに振ったバルブを作ってみました。

という訳でこちらが完成したバルブユニットです。広げられたルートと細くなったシャフトでガス流量のUPを図りましたが果たして結果はどうでしょうか?

ノーマル時と同条件で0.78J(0.2g弾換算88.3m/s)は約4割のアップ、文句なく長物電動ガンクラスのパワーです。そして安全確認としてマガジン温度を36℃まで上昇させての計測も0.86J(0.2g弾換算92.7m/s)と法規的にも問題がないことが確認できました。夏場のCQB戦ではちょっと痛いかもしれませんがゲームにも安心してエントリーできます。

サイレンサーの性能もチェックしてみます。サイレンサーなしの時で銃口から50cm離れた位置での測定値が画像左の99.2㏈、そして装着時は画像右の86.8㏈と12.4㏈の消音効果が確認できました。電動ガンにサイレンサーを搭載しても同条件化で90㏈前半ぐらいなのを考えると高い静音性と言えます。

アルミでできたマルイ製を計測したことがないので漠然とした比較になりますがABS製のサイレンサーも材質的に共鳴しにくい素材ですので性能は悪くはないようです。

長物並みのパワーに静がな発射音、高い命中精度に軽くなったトリガーとカスタム後のS2S SOCOMはゲームでの隠密作戦にピッタリ、付属のアンダーレイルマウントも好みのライトが装着できるので便利です。音もなく敵を倒す ”現代版ハッシュパピー” が誕生しました。

 

 以上、S2S SOCOMへのカスタム施工の様子をお伝えしました。