ひつじ飼いのキノコ岩との日常

家庭の事情から、トルコ国内のすったもんだまでw

イズミル裁判所襲撃事件

2017年01月09日 06時08分15秒 | 事件・事故・宗教・政治
さて。
今から、3日前の

1月5日。
午後、4時15分頃。

イズミルの裁判所に向けての
テロリストによる、攻撃がありました。

警備の警官の
機転で

事件は未然に
防がれたのですが。

残念ながら、その警官は
殉死しました。

日本でも、
ちらっと、報道されたらしいですね。

午後4時過ぎ、と言えば。
裁判所に勤務する
職員たちが

ちょうど、仕事を終えて
ぼちぼち、表に出てくる時間だ、と
いいます。

テロリストがやってきた
「C」出入り口は

検事や裁判官が
出入りに使用する、場所でした。

車に、爆発物を
満載し

更に、手榴弾、ロケット砲
カラシニコフ銃など

物々しい装備で
やってきたのは

敷地内に
侵入した後に

自動車を
爆破して

その上に、
帰宅時間で、混雑する
裁判所前で

無差別殺人を、計画していたからだろう
と、推測されています。

この、「C」出入り口の警備を
任されていたのが

ファーティ・セキン、という
42歳の、ベテラン警官でした。


もともとは、
白バイ勤務として

交通機動隊で
任務についていたものの

数年前に、大事故を起して
それからは、

裁判所の警備担当
だったそうです。

テロリストの乗った車が
C出入り口から、内部に侵入しようとした時。

ファーティ氏は、何かを
察知して

車を制止して
内部点検をする、とつげます。

当然、車から降りた
テロリスト二人、は

降りたと同時に
走って、その場から、逃走を図りました。

同時に、持っていたリモコンで
遠方から、車自体も、爆破させました。

自分の勘が
正しかった事を、確認したファーティ氏は

間髪をいれず
腰の拳銃を抜いて

テロリスト達の
後を追い始めました。

一般人が、多数
通行している、路上で

決死の銃撃戦が
始まります。

人々は逃げ惑い
街には、銃声が、響き渡り…。

ぱんぱんぱんぱんぱんぱん!!


連続した
銃撃音の後に

テロリストの1人は
その場に崩れ落ちます。

ファーティ氏の銃が
その場で、テロリストを
仕留めたのです。

残った1人の
後を追いかけつつ

テロリストを
路上駐車中の

自動車の陰まで
追い詰めたところで

なんと。不幸にも
ファーティ氏の銃弾が

底を尽いて
しまったのです。

銃に弾が残っていない事に
気づいたファーティ氏は

トッサに、踵を返して
身を隠そうとします。

しかし。
残ったテロリストのカラシニコフ銃が

ファーティ氏に
命中し

不幸にも、彼は
その場で、殉死したのです。

その頃には、
銃声を聞きつけて

他の警官も
現場に駆けつけてきて

残った、テロリストを
工事中のビルに追い込んで

そこで、
射殺しました。

こうして
イズミル裁判所襲撃事件は

1人の警官の、命と引き換えに
大惨事を、逃れたのでした。

犯行声明は
出されていないものの

ほぼ、PKKの犯行であろう、という
推測がなされています。

皮肉なのは
このファーティ氏も

クルド系トルコ人で
あった事。

クルド人民の
独立のため、と

無差別殺人を繰り返す
PKKの策略を潰したのは

他でもない、
クルド系の警官でした。

彼の遺体は
故郷のエラズー県まで搬送されて

そこで
埋葬されました。

彼の、自分の命を
省みず

勇敢にも、テロリストを
追い詰めた英雄行為は

トルコ中の人達から
賞賛されています。

***************

在トルコ日本国大使館からの注意喚起(テロ情報)

【本文】
報道によりますと,本日1月5日午後4時頃,トルコ西部イズミル県イズミル市内の司法合同庁舎付近で車両が爆発したとのことです。
詳細は不明ですが,邦人の皆様におかれましては,現場周辺に近づかないようお願いいたします。

トルコにお住まいの皆様へ
在トルコ日本国大使館

1 報道によりますと、本日1月5日午後4時頃,イズミル県イズミル市内の司法合同庁舎付近で車両が爆発し,少なくとも10人が負傷したとのことです。また,現場において犯人と警察との間で銃撃戦があり,犯人2人は射殺されましたが,残る犯人1人は逃走しているとのことです。

2 詳細は不明ですが,邦人の皆様におかれましては,現場近くには近づかないようお願いいたします。また,引き続き最新の治安情報の入手に努め,イベント会場,デパート,市場等の不特定多数の人が集まる場所,公共交通機関,ホテルなどの宿泊施設,観光施設,政府・軍・警察関係施設,欧米関連施設等にはできるだけ近づかないようにするとともに,訪れる場合であっても,短時間で要件を済ませ,不審な状況を察知したら速やかにその場所を離れるなど安全確保に十分注意してください。

在トルコ日本大使館
領事班
代表電話:0312-446-0500(領事班内線番号:291,258)

***************


軍警察の
車両の後に隠れて

出入りしながら
銃撃を続ける、テロリスト。

実は、この
軍警察の車両の中には

1人の、軍警官が
乗っているのです。

彼は、何が起きたのか
事態が飲み込めずに

一瞬、扉を開けて
車外に出ようとします。

しかし、すぐに、銃声から
ただならぬ、事態を察知して

すぐに、扉を閉め
車内に隠れて、事なきを得ます。

しばらくすると
画面奥から

テロリストを追いかけて
黄色の制服を着た

ファーティ氏が
走ってきますが

銃弾が残っていない事に
気づき

芝生の中央分離帯を
超えて

反対車線方向へと
走っていきますが

そこで、テロリストに
撃たれ

前のめりに
一回転するように、
倒れこむと

そのまま、その場で
動かなくなります。


こちらは、現場近くの
工事現場から、撮影されたもの。

白昼の大通りに
すごい勢いで
銃声が、響きます。

どんだけ、すごい銃撃戦だったか
伺えますね。

トルコの人って
もともと

熱しやすく、冷めやすい
国民性だから、なのかは、
わからないけれども

こういう
熱血漢タイプの人、

多いような
気がする。

わしの、仲の良い
お友達のダンナさんも

警官なんだけども。
とても、熱血漢で

国のためなら
命をおとしても、構わないと
思ってるのが

もう、普段の言動から
ありありに、わかる人、なんです。

その人、とね。
今回の殉死した警官が

イメージが、とても
重なるのです。

年恰好も、雰囲気も
とても、似ている。

ムショウに、
悲しくなりました。

その人には、どうか
こんな運命が、待ち受けていませんように。

また1人、トルコは
有能な、ベテラン警官を
失ってしまいましたね。

ファーティさんのご冥福を
ココロから、お祈りせずには、いられません。


本日もお付き合いいただいて
ありがとう御座います。

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コメント (4)
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