買い物もほどほど。カツオの刺身と、タイの頭。ざるそば食って、いざいかん。
ボーズの予感。つまりお客ゼロ。しかしなぜか確信がある。駐車場で車が並ぶ。
5人ほどの客が待ち受けていた。もちろんお婆さん。目当てのおばさんはいないが、
お婆さんとおばさんの中間のママが、かわいい。あれ髪切ったの。しかも胸が
小さいながら、強調した服を着ていた。しばしみとれるおきな。かわいいねを
言おうとしたが、チャンスなし。本人もきづいている様子。上着で隠すが
歌うとはだける。目のやり場に困る翁。もっと若かったらな。ざんねんのまま。
でも、かわいいものはかわいい。ただし暗い店内。皴は隠れる。明るい外に
出たら、蒸発するだろう。グラスに氷入れましょか。そうだ泣いてください。こおり
健太。ママにふさわしい歌を歌う。ああ翁。とけちゃうわ。冗談が飛び交う。
もちろんほんとは、温かい。コーヒーをお飲みなさい。やさしくアイスコーヒーを
持ってきてくれた。この店で、いちばんやさしいのではないか。惚れてはいけない人
マスターに叱られる。惚れてもいいぜと隣の婆。すかさず、俺でいいのか。
坂本冬美。あのな。翁も好みがある。猿。マントヒヒは願い下げ。人間がいい。
ちょっと聞いて。何か妖怪。城崎恋歌聞いてくれ。今度城之崎に旅行するそうだ。
この歌で、ひっかけてくる。ああお酒かい。そんないい男はここ以外にいない。
またみあげ話を生きてたら、聞かしておくれ。いい加減に酔ったおばばは、
帰って行った。あわせて翁も帰る。不完全燃焼。中毒しそうな翁だが、これ以上
いいことは起きそうにない今日はママの色気にまいった日。明日もお越しください。
明日は別の女性を置いときます。あれ?ママ別人。化粧が濃い。いらっしゃい。
私がママ2号。マスターがニヤニヤ。この子が私の2号です。顔が代わっても
胸は変わらない。歌ったらすぐわかる。ブレスが小さい。ドンナに化けても
ままはママ。お客さん起きて。つぎの曲はあなたの番よ。あなた雨。どうやら
寝ていたらしい。むちゅう。ママさん好きになっていいですか。100歳まで生きるよ
覚悟ある?。言葉を失う竹取の翁。あわてて目をそらす。