金魚cafe

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リチャード三世 森ノ宮ピロティホール

2017-11-05 22:55:39 | 佐々木蔵之介さん
これが私のリチャード三世最後です。

もう一回大阪で観たかった~~と思ったのですが今回は東京で観れたしと。

二回目となりますといきなりパンチくらったオープニングもカッコイイと思えてリチャードさんがどこにいるかも背中で見つけられて余裕ありました。

この斬新な演出はやっぱりプルカレーテさんならではなのでしょうか。

ちょっとよい子の皆は危ないから真似しちゃいけませんみたいな演出もありまして。

普通はこんなことさせないなあ~~クレーム来そうだわ~と。

日本の方の演出のハムレットを観ました。

それは本のとおりに忠実なシェイクスピアの世界を表現していました。

海外の演出だとシェイクスピアを現代風にされるのかなあと。

古典としての型を崩さずにアレンジを加える。

日本でも古典芸能で型を崩さなければ案外OKという懐の深さがあります。

そういうふうに観ればこれはシェイクスピアなのだろう思います。

プルカレーテさんのルーマニアは民主主義になる前にリチャード三世のように独裁されていて民衆がそれを倒して今に至っています。

日本でそのニュースを観るまではそんなに情報は入ってこずにその人が権力の座から引きずり降ろされてから実は政府に反するものは迫害を受けていたのだと後からポロポロと出てきました。

外に向けてそんな情報は出しませんものね。

リチャード三世の原作を読まなくてもプレカレーテさんがルーマニアの人だと知ったらある国が独裁者によって歯向かったものは殺されていったとわかりやすいです。

そんなリチャード三世、最後までワルで突っ走っていきました。

独裁者というのはまあ人を踏み台にし、命まで奪うのですからそんなカッコいいものではありませんが、あくまでもカッコ良く、時には道化てみたりといろんな顔を見せてくれますそしてどんな最後が待っているのか。

誰もいなくなったところは国と呼べるのか?

そんな国に王は必要なのか?

リチャードさんの圧巻だなあと思ったのはあの手この手、汚い手あらゆるものを使って王座を手に入れようとします。

その王座が自分に来た。

すぐにすわらずにその王座という母の胎内に戻り新しく王として生まれようとする。
リチャード三世はただの悪ではなく、王座を純粋に欲しがっていたのだなあと。

そのあの手この手で妻にした自分が殺したエドワードの妻だったアン。

とおるさんがキレイすぎてリチャード三世がアンを口説くシーンがほぼ全員男性ばっかりなのになんかドキドキしてしまうぐらい艶めかしい。

自分の兄の妻であるエリザベスに言い寄るところもいかにも貞淑なエリザベスがちょっと傾きそうになるのはリチャードさんがそばで耳に心地よくささやかれたら傾いちゃうなあ~~。
蔵之介さんの声が良いというのもありますが。

あるときは道化で人の心に取り入り、またあるときは怪異な容貌で人を恐怖で支配し、あるときは甘い言葉で人を陥れる。

リチャード三世の番宣でシューイチに出演されたときにコメンテーターの名越先生が蔵之介さんを消しゴムのような人とおっしゃいました。

前の役を消しゴムのように消してしまって引きずらない何者にでもなれる人。

リチャードさんも人によって人格を消して違う人格になって人をだましてしまうようなところがあったかなあと。

最初に観た時よりも次に観た時は前回以上のものを見せてくれる蔵之介さん。

東京で拝見したときより痩せていたようなそれだけ体力を消耗するのでしょうね。

共演者の皆様毎日何かのドラマで観る俳優さんたちで歌までは聞いたことがなかったのですが、皆様歌がお上手でした。

もしかしてオーディションでそれも選考基準だった?

ヘイスティングス卿の八十田さんいい声でした。

そして蔵之介さんもです。^^

終わったあとのカーテンコール5回は何度も出てきていただいて申し訳ないなあと思いつつも何度もきれいなお辞儀をされる蔵之介さんにこちらこそ素晴らしいものを見せていただいてありがとうございますと感謝しております。









桂よね吉独演会(2)

2017-11-05 00:05:21 | 落語
いよいよ「幸助餅」。
これは昔(何年前かは聞かないでください(^^;)土曜日のお昼にテレビで放送されていた松竹新喜劇でよく観ました。

同じような噺で「文七元結」がありますがこちらは江戸っ子の気っぷの良さとやせ我慢が上方にはちょっとピンとこないところもありまして「幸助餅」の方がしっくりくるような感じがします。

この噺、別の意味で私に ズシッときたのです。
餅米問屋の大黒屋幸助。

人柄も良いのですが欠点というのが相撲に入れあげてること。

なんだそれくらいと思いますよね?

お相撲さんをひいきにしてご飯食べさせたり、着物やなんやかやと買ってあげたりするととんでもないお金が飛んでいくのです。

現在でもお食事1回で100万は飛んでいくそうです。
まあ良く食べるしグルメですものね。

場所の間は商売そっちのけであったであろうし身上潰れるのはごく当たり前のこと。

そんな幸助さんに健気な妹小梅さんが自ら郭に自分を借金のかたにしてお金をこしらえます。
幸助さんは心を入れ換え相撲とキッパリ縁を切ると約束するのですが。

そこで出会ったのが自分が弟のように可愛がっている関取「雷」。

強そうな四股名ですがまだ横綱という最高位がない江戸時代に大関昇進したと凱旋してきたのです。

我が事のように喜んだ幸助さんは妹の作ってくれたお金をあげてしまいます。
フッと我に返って雷にお金を返してほしいと頼むのですが雷はガンとして返さず冷たい仕打ちをします。

このときの雷のふてぶてしさが上手ければ上手いほど後で効いてくるのです。
江戸っ子はあげたお金を返せとは絶対言いませんよね。

上方だからこそさっきのお金返してと言えるのだと思います。
そのへんがしっくりきたのと幸助さんの道楽は自分のことだけではなく、一人の大関を生んだのですから活きたお金を使うところもうんうんわかると。

幸助さんがミジメ~になればなるほど後の噺が盛り上がるのでこの噺を聞くのは2回目ですが最初の時より雷のふてぶてしさが上手く出てたと思いました。

このあとは松竹新喜劇ですから笑いと人情話でジ~~~ンとさせられます。

私がズシッときたのは自分がファンの人には限度がありますが使っちゃうなぁ~~。
幸助さんの気持ちわからなくないなぁ~~と思ったのです。
まあ身上潰れるほどではないですが。f(^^;

12月には京都でも独演会をされます。

「たち切れ」というお噺です。

よね吉さんの「たち切れ」聞いてみたいのです。