金魚cafe

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とっぴんぱらりの風太郎

2017-08-21 23:21:03 | 読んだ本
万城目学著 文藝春秋

久々に読んだ本の感想を。

今日テレビで歴史ヒストリアという番組が放送されていました。

歴史は興味があるので時々観ております。

丁度本を読み終わったときにこれを観まして時の権力者というのは自分の都合の良いように忍びを使うのだなあと。

言うことを聞かなければ徹底的につぶしにかかるし。

この本もそんなその時の権力者に使われる悲しさのようなものがありました。

風太郎は「ふうたろう」ではなく「プータロ―」で名前だけだと頼りな~~い感じです。

人より剣が優れているのでもなく、毒薬にくわしいのでもなく、変装の名人でもないごく普通の忍びです。

取り柄といえば肺活量の凄さ。

忍者なのにすぐ顔に出て生き方が不器用な男です。

その要領の悪さと不器用さで忍者を首になっちゃうのですが彼は忍びしか知らないのでやっぱり忍びとしてしか生きていけない。

万城目センセーの主人公ってそういう人「鹿男」しかり「プリンセストヨトミ」などなど多いですよね。

忍者失格と言われるけれど他の生き方ができなくて結局忍びとして生きていく。

時代が大阪冬の陣の前から夏の陣にかけてで大河の「真田丸」を別の角度から見てるようなそんな感じがしました。

「真田丸」は真田幸村の目線から見たドラマですから戦に勝つつもりですからイケイケドンドンで観ているほうももしかしてドラマなんだし勝ってもいいんじゃない?そんなドラマでした。

風太郎から見た大阪夏の陣、冬の陣は戦というのは勝つためならなんでもする、最後に勝った方は正しいというえげつないものでした。

風太郎もその戦に巻き込まれて自分の手を汚していくことがイヤになりました。

侍というのは正々堂々とというのはあれはきれいごとなのだなあと。

「プリンセストヨトミ」書かれた方ですからやっぱりそっちを贔屓しちゃうんですよね~~。

淀君はどうしても好感度あがりませんけれど。

大阪城が落城したときの豊臣方がどうなったのか諸説ありますがこの説を取りましたか~~と。

優れた忍びというのは腕が立つことではなく生きて帰れること。

そんな忍びは100人いても一人ぐらいしかないという厳しい世界です。






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