市川染五郎著 小学館。
本の窓という雑誌に連載されていたものに書き下ろしと対談を加えたものを1冊の本にまとめたものです。
歌舞伎の方が書かれた本は四代目猿之助さんと中村吉右衛門さんの本しか読んでおりませんが、染五郎さんもまた文才がある方です。
歌舞伎のことを知らない人が読んでもわかるようなガイドブックのようであり、市川染五郎がどのようにしてできあがったか?というのがわかる本でもあります。
ご自分の出演された演目をわかりやすく説明してくださっているのでこれを読めば舞台を観に行ったときにあ~~そうだったんだと歌舞伎と聞いただけでわかるだろうかと緊張することなくすんなりと入っていけます。
私たちにとっては歌舞伎というのはハレの日に観に行くその時だけお江戸の世界に入っていく非日常な時間ですが、染五郎さんたちはそれが日常なのです。
子供たちがライダーや戦隊ヒーローに憧れるようにご自分のお父様、おじい様が舞台で演じているキャラをカッコイイと憧れ真似をしていたのです。
お芝居はもう生活の一部になっているのですね。
ちょっと不純な動機な動機ですが、この本には猿之助さんとの対談が載っておりましてこれが目当てで読んでいったわけですが、染五郎さんの芝居に対する思いを読んでいるとすいませんと謝らなくちゃいけません。
お二人の対談は猿之助さんの亀治郎でしたにも載っておりますが、こちらはちょっとリラックスした感じでした。
こちらの対談ではもっと歌舞伎を身近に感じてもらえるものにしたい、若い人たちに歌舞伎を足を運んでもらえるようにするにはどうすればよいかなど熱く語っておられます。
そういえばどちらも歌舞伎以外の舞台にも積極的に立たれてタイプが似てるんですね。
伝統を守りつつもそれで良いのかと現状に安心してるわけでもない。
いつか2人ですごいことをやっちゃうんじゃないかと期待させる対談。
お忙しいのでなかなか実現は難しいと思いますが
実現したらチケット取るの大変なことになりそうです。
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