金魚cafe

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負けるのは美しく

2012-05-08 22:38:04 | 読んだ本
職場の先輩が児玉清さんの大ファンでした。

ホームドラマの「ありがとう」などに出演されているときからファンだとおっしゃっていたので、筋金入りのファンだと思います。

どこがいいかと聞きますと、知的で端正なお姿、そしてソフトな語り口だそうです。

私がTVで拝見する児玉清さんから同じように思いました。

私はBSの週刊ブックレビューの司会をなさっているのが好きで観ていました。

本を読むのが好きですから、この番組で取り上げられた本を読んで観たことがあります。

「ダヴィンチ・コード」もこの番組で知って読みました。

児玉清さんは、日本に入ってくる前にご自分で訳して読まれたそうです。

ホントに本が好きなんだなあというのが伝わってきます。

そんな方が書かれた本です。

負けるのは美しく  集英社

すばるで2002年5月~2005年4月まで連載されたものをまとめた本です。

なぜ俳優になったかから、始まっています。

本当は大学院に進みたかったのに、家庭の事情で断念し、就職しようとして、勤め口がなく、偶然から申し込まれた東宝の新人オーディションに合格。

俳優人生が始まります。

これを読むと、かなり頑固、反骨精神の塊で、結構過激、TVで観るイメージを違うな~。

ご自分のことを自意識過剰で映画ではうまく演技できなかった、TVの制作の仕方がそんな自分に合っていたと書かれています。

クロサワ監督に怒られたこと、新人でまだ売れないときの苦労話など内容は過激ですが、ジメジメした感じでなく、サラッと書かれていてそんなに重い感じはしませんでした。

後半は、マネージャーをなさっていたお嬢様のことが書かれていて、お嬢様は病気で亡くなられるのですが、病状など事細かく書かれていて、どれだけお嬢様のことを思っているか伝わってきます。

書いているときつらかったのではと思うほど克明に書かれています。

これを読んで、児玉さんは本を読むことも達人でいらっしゃいましたが、書く方も素晴らしい方でした。

もっと児玉さんの書かれた文章を読みたかったなあ。

今ああいうタイプの俳優さんがいらっしゃらないのが、実に残念です。


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