ヒトは精神の安定を求める習性をもつ。
自然な快を奪われた不快な状態でも、それが固定化してしまうとそれが快になってその状態を保持しようとし、元々の自然な快を奪い返そうとはしない。その不快な状態が楽な状態になる。ヒトは、ひどい怠け者。
不快な状態に自分を最適化してしまうと、それが精神の安定になり、それを脅かすもの(快の状態を奪い返そうとする働きかけ)を嫌う。
とても根深い病理であるこの現象は、日本では顕著にみられる。
::::::::::革命より:::::::::::::::::::::::
人には恒常性維持機能(ホメオスタシス)が備わっていて、大きな変化には必ず抵抗が発動する。
元に戻ろうとする性質は肉体的には自然治癒力として、体に備わった大切な機能である。
自然治癒力は動物にとって、大きな恩恵をもたらすものである。
脳内でもホメオスタシスは働き、これが脳の持ち主にとって望ましい状態を邪魔することがある。
元々は、自然下では不快だったものが習慣により快適な領域に入ってしまったら、それを維持しようとし、外れると元に戻ろうとする。
自然よりも習慣の方が勝つ (関連:自発的隷従 /エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ)
このことは、とてもやっかいだし、この性質が支配層に利用されている。
今ある状態が、自然な 快 が奪われた状態なのに、それを奪い返そうとすることを拒否する人達。
今の、奪われた状態が 快 になってしまっているから。これは、もうどうしようもないから好きにしてとしか言えない。
救いようがない、出口のない状態。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
(関連:邪魔なモラル)
先日、私が買ってきた炭火焼き鳥のお惣菜を夕食の一品に出した。それは、炭火の香りが強くして私は美味しいと思って、買うのは3回目ぐらいだった。
※イメージ
母がそれを食べて、「やっぱりこれ、気持ち悪い」と言った。母曰く、これは本当の炭火焼きではなくて、炭火焼き風の人工的な物を塗り込んだ偽物だと。以前も母は「これ、本物の炭火焼き?う~ん…」と言って食べていた。
本当の炭火焼き
私はその時、まずこういう気持ちになった。自分はこれを炭火焼きと思って食べているのに、「気持ち悪い、偽物」と言われて、「余計なことを言ってくれるな」と。ピーンと糸を引っ張ったような、一瞬むきになった気持ち。「炭火焼きって書いてある」とその食品を擁護した。それは自分の為にやったと思う。
でもその次に、「たしかにこれは炭火焼き風の人工的な偽物かも知れない。」と思った。炭火焼きです‼と強調して主張している味と見た目だが、なんか、人工的にネトッとしてる。添加物世代の私は本当の炭火焼きを食べた経験が乏しいが母は豊富に食べて来たので、母の味覚は正しいだろうと思う。
私はこのエピソードから、偽物を本物と思っているところに本当のことを言われた時の、不快な気持ちというものを学んだ。
そういえば、昔こんなこともあった。都会に住む妹と遊んだ時に、妹の気に入っているスワロフスキーのアクセサリー屋さん(百貨店の正規店ではない路地裏のお店)に入った。妹は「ここ、流通の穴場でスワロフスキーを安く買えるの*^^*」という内容のことを言った。たしかにスワロフスキーだろうけれど、別に大した物ではない物に、値札は法外に高く書かれていて、そこに赤線を引いて値段が書き直されて、ラッキー感お得感を出していた。
私は一瞬でそのやり方がわかったので、「これ、最初の値段が盛ってるだけだよ」と言うと、妹はショックで反発心を示した。その後すぐに仲直りしたが、自分が秘密の穴場と思っている店が、特にお得ではないと言われた時のむきになった感じも、上と同じ類のエピソードである。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
このこととやや関連して。
誤った信念や捻じ曲げられた現状認識を守ることに精神の安定を図るという思考パターンを、ヒトは無自覚に強行している。ヒトは怠け者。ハラスメントやいじめを受け続けているのに、ハラスメントではない、いじめではないと認知を歪めて固定化してそこに精神の安定(偽物の安定)を作って無理やり安住している人は、本当のことを言われるとその安定が乱されて、受け付けようとしなかったり、言う人を迷惑がったりする。DV支配を受けているのに愛情だと歪めた認知を死守したり、騙されて搾取されているのにその相手は自分の為にやっていると歪めた認知にしがみついたり。これは、加害者や不祥事を隠蔽したい責任者にとって至れり尽くせりの現象である。被害者の方が、自らその行為に協力するのだから。これは、ブリヂストンでも日常的にみられた。そこに、救いのなさと絶望感を私は感じていた。 内的自己欺瞞
100の事実を1で覆そうとする 偽りのラベルで解釈を指定する
そうした脳内調整の習慣を持たない人からありのままを言われて、一瞬は不快な気持ちになっても、では本物とはどんなものかを知って、あれは偽物だったと知り、それらの区別がつく方が、私は遥かに快な生き方だと捉えている。でも、自分が保っている精神の安定(偽物の安定)を死守する人達は日本にはたくさんいる。酷い状態を通常のものとして、かれらなりに精神の安定を保っていて、その安定を揺さぶる人を激しく嫌悪する。その人が、かれの為に言っていても。
Don't rock the boat :事なかれ主義
終わってる船にひたすら乗り続ける
起こっていることをありのまま言うとコミュ障扱いされる。
捻じ曲げた認知にしがみついたまま精神の安定を保ち、そのまま死んでいきたい人達はこの国には相当いるように見える。この行動をやめる人達が続々と出てくれば、この国には希望の光が差すだろう。
900円 → 450円!/ 1個