泣きました
流転の王妃
愛親覚羅浩の自伝。
日本帝国が
満州という架空の国を作り
清朝最後の王の弟
溥傑に嫁がせ
そこに日本人の
血を混ぜ込もうという
完全な
政略結婚にもかかわらず
稀なる夫婦愛に生きた
激動の物語
とりわけ長女の悲劇
天城山中の心中と
騒がれた新聞の記憶は
私にもあるけれど
心中なんかじゃなく
変な学生に殺されたこと
彼女は東大哲学科を目指す
飛び抜けて優秀な
夫婦の宝物であったこと
を知ったことは
涙が溢れてやまぬ
事実なのでした。
それにしても
「関東軍」はいけなかった
敗戦となると
真っ先に逃げ出した
棄民・・・
夫婦は北京で
あの「文化大革命」に直面
そのとき先頭に立って
破壊しにやってきたのが
なんと元皇帝溥儀の孫
溥傑の甥だったという
皮肉・・・
周恩来が密かに
守ってくれなければ
夫婦ともにどうなっていたか。
浩の長女が生前
国交もないCHINAの
周恩来に直訴の手紙を
書いたその文面
筆跡、内容の高さに
周恩来は感動した
という事実。
もしこの長女が人生を全うしていれば
必ずや
日本とCHINAをつなぐ
立派な人材となっていたのは
間違いないことです。
それにしても
昭和、軍国主義、関東軍
この時代はやはり
いけません
いくら愚民政治と言えども
「民主国家」がいい・・・
と思ったのでした。