深夜にナースコール
泊まり込んでいた家族から
本人が息をしていないと呼び出しがあり
居室へ急行
看護師を呼び
当直のドクターの診察
死亡診断
親族や葬儀会社への連絡
エンゼルケア
霊安室(という名前ではないが)への移送
荷物をまとめて
退所の手続き
献花
あいまにトイレに起きてきた他の方の対応
お見送り
居室や車イス等の片付け
ほっとひと息をつくと
もう休憩時間もおわりだった
夜勤明けで退社するときには
もうその部屋は空っぽで
掃除や消毒もすんで
名札もすべてはがされて
その人が存在した形跡はなくなっている
昼過ぎには新しいシーツが張られていることだろう
明日には別な利用者が入所しているかもしれない
施設の空き部屋は
特にそこがスタッフステーションの近くだったならば
直近に人の儚くなった部屋であるかもしれない
私はそんな部屋でも
平気で仮眠してみたりするけど