私にとっては
神様のような作家
自然のこととはいえ
亡くなられて悲しい
実際にお会いすることはなかったが
その作品はいつも身近にあった
最近も全集の中のエッセイ集を
引っ張り出して読んでいた
はじめて読んだのは
小学校の教室にあった
「だれも知らない小さな国」で
もともと本の好きな子供だったので
学級文庫はすべて目を通していたが
教室の本棚に置かれていた
その青みがかった緑色の本を
非常に面白いと思って読んだ
続編があることを知り
学校の図書室を探し回って
(なぜだか書架のあちこちにバラバラになっていた)
宝物を見つけるような思いで
むさぼるように読んだ
実に
コロボックルが本当にいたらどうしよう
と少し怖いような気持ちにもなるくらい
のめり込んでいた
図書室になかった巻は
なんと担任の先生が
家から持ってきて貸してくれた
中学にあがってからは
やはり図書室にあった
佐藤さとるファンタジー全集を
片端から借りて読んだ
その後は講談社文庫の本を買い集めた
それらはいまも手元にあって
時々パラパラとめくっては
好きなところを読んだりするのだが
ついに亡くなられたのかという思いだ
ご冥福をお祈りする
彼の作る作品は
言葉だけで奏でる音楽のよう
言葉だけで刻んだ彫刻のようだった