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二日目
早朝、連泊の旨を伝えて料金の支払い
部屋は戻ってからの案内
荷物は建物の中に置かせてもらえた
双六小屋から巻き道ルートで三俣山荘経由で鷲羽岳へ
帰りは三俣蓮華岳から稜線ルートで双六岳を通り双六小屋まで
二日目のメインは鷲羽岳
三俣山荘に泊まるのであれば水晶岳まで行けたかも
双六小屋に荷物をおいて
食料だけ持って出発
荷物が軽いとやはり歩きやすかった
巻き道を行くが三俣山荘前でけっこうくだる
三俣山荘は再建される前の名前が三俣蓮華小屋
「黒部の山賊」の舞台となったあの山小屋である
鷲羽岳山頂までは三俣山荘から1時間半
近く見えるけど
斜面でキラリと何かが光った
点のように赤いあれは登山者のウェアか
その対比でかなり距離があることがわかる
遠目には滑らかな白い山肌も
実際に登ってみるとゴツゴツした岩の塊だった
感じとしては常念岳に似ていると思った
上っている間中、左からの強い風
キャップを寒気が突き通ってくるようで
思わずアウターのフードをかぶった
冬用ではないグローブの手が徐々にかじかんでくる
途中
眼科に青くて円い池が見え始めた
さざ波がたつと一面銀色に輝き
波が収まると青緑の美しい水
登山道の途中からその池に下りる道があったようだが
さすがにそんな余裕はなくて
でもちょっとパワースポットっぽかった
やっとたどり着いた山頂は
眺望が素晴らしかったけど
風が強かった
下りでは
三俣山荘と
けっこう離れて双六小屋が見えた
斜面に紅葉する木々
ずっと眺めていたくなる
三俣山荘まで戻って昼食
双六小屋でお弁当を頼んでしまったけど
頼まなくても三俣山荘で普通に食べられたなあ
山荘前でお弁当を食べてから展望食堂でコーヒーを飲んだ
トイレにいきたくなるので
山では普段はコーヒーを飲まないのだけれど
サイフォンでいれたコーヒーは美味しかった
大天井岳? 上空あたりに異形の雲
踊り子のような形
写真を撮ろうとしたが
すぐに形が崩れて霧散してしまった
明らかに周囲の雲と違う
おそらくは
山にぶつかって風に巻き上げられた雲があのような形をとったのだろうけど
見ているとその付近にいくつも変わった形の雲が
もしいいカメラを持っているなら
きっと面白い写真が撮れるだろう
スマホのカメラではいまいちうまく撮れなかった
双六小屋では売り切れだったワインがあったので
五一ワイン赤のハーフボトルを買った
帰りは三俣蓮華岳から稜線ルート
巻き道ルートより断然、稜線ルートがいい
ただし鷲羽岳にいって戻ってくるのなら
行きは巻き道で
行きに稜線ルート通ったら疲れそう
鷲羽岳からの眺めを見たあとでも
三俣蓮華岳と双六岳及び稜線ルートからの眺めは楽しめるはず
風は東側では頭痛がするほど強く冷たいがハイマツの西側風下では無風で日差しが暖かく暑いくらいだった
稜線ルートからは巻き道をいく登山者の姿が見下ろせてちょっぴり偉くなった気分だった
双六岳山頂で記念撮影
今回はどこの山頂にも人がいて
シャッターを押してもらう相手には事欠かなかった
中にはちょっと構図の下手くそな人もいたけど
基本、デジカメは引きぎみで撮ってほしい
画面一杯に人物を入れると
フレーム近くでは歪んでしまうので
変な顔になる
デジカメなら
引きぎみでも後でトリミングすればいいし
被写体を中央に寄せた方が歪みが少ないから
双六岳はじじばば岳?
双六小屋方面から登ってくる人の
高齢者率の高いこと
やっぱり登りやすいのかな
小屋に戻り
受付を済ませて
部屋は昨日と違って二階の大部屋「鷲羽岳」
相部屋で対面になった老夫婦は
昨日鏡平に泊まり今日双六小屋、さっき双六岳までいってきたとのこと
今回は夕食が2番目(18時から)
おかずが唐揚げに変更されていた
ただしあまり美味しい唐揚げではなかった
かさましするために衣を変に厚くしてあるような感じ
もしくは冷凍食品なのか?
で、その夕食まで談話室でビールを飲んでいたら
同じテーブルのおじさん(実は75歳とのことで本当はおじいちゃんだ)
が話しかけてきた
見た目はただの飲んだくれだったけど
名刺を渡されて見たら
北アルプス北部山岳遭難対策協議会の副隊長と書かれていた
漫画でしか見たことのない遭対協の人だ!
この人だけだと実に胡散臭い風体だったけど
同行の(広島から来たという)グループ3人の話でも(副隊長がガイドして登山に来ているらしかった)
どうやら相当な登山家のようだった
膵炎かなにかで手術して
腸閉塞かなにか併発して死にかけて
でも復活してまた山に登っていると
お腹を捲って手術痕を見せてくれた
腹部中央に15×15センチのL字型の傷
水平のが最初ので縦のが再手術のものとのこと
16くらいの時から登山をはじめて
一番好きなのは野口五郎岳とその小屋だとか
山道の方々に焼酎を隠しているとか
涸沢ヒュッテはいつも混んでるけど自分がいけばゆったりと寝られる布団を提供されてワインまで出してくれるとか
なんとか電工の元社員で
外交で3億の黒字にしたとか
いつも休みをとって登山三昧だったから有休はほとんど残らなかったとか
(「氷壁」の主人公みたいだ)
どっか登るときは危険箇所とかを教えてあげるから電話しろと名刺を渡された
同行の(県庁で働いているという)男性は
「きっと酔っぱらって覚えてないから双六小屋で広島から来た人たちと一緒だったって言えば思い出すよ」と言っていた
男性の中に年配の婦人が一人のグループだった
夕食後は玄関内のベンチで例の赤ワインをシェラカップで飲んだ
高地ではいつもよりも酔っぱらうようだ
この日は頑張って少し起きていて
相方は寝てしまったが
星空を見た
満点の星だった
カシオペアと北斗七星
オリオン座も見えた
眼鏡をしてなかったので定かじゃないけど
ぼんやりと見えたのは天の川だろうか
いつかテント泊して
星空を見上げながら眠ってみたい
でも今回は寒くてとても長時間は外にいられなかった
乾燥室で体を暖めていざ就寝
この夜は鼻がつまって口呼吸になってしまい
ちょっと寝苦しかった
今回も耳栓を忘れたけど
大部屋で寝るなら耳栓は必須
何度かものすごいイビキの人と同室になって
ほとんど一睡もできなかったことがある
ただし耳栓してると目覚ましのアラームが聞こえなさそうでこわいけど