上田市塩田富士山日米神社道祖神
実は『長野県道祖神碑一覧』としては最もデータが不足している地域があった。もちろんこれまでも触れている通り、東信地域であることに変わりないが、その中でも最も違っているのは旧上田市(平成の合併以前の)である。一覧に掲載された上田市の道祖神数は、双体像13基に過ぎない。ところが『東信濃の道祖神』によれば、自然石を祭祀箇所として修正したとしても、双体像43基、文字碑396基、石祠6基、自然石81箇所となり、合計526基・箇所にもなる。この526基という数字は、長野県内最多である。これほど上田市に道祖神が多いということを、誰が認識していただろうか。悉皆調査をされた岡村知彦氏のみだろう。とくに文字碑の数は突出しているが、自然石の81箇所という数字も多い。
その上田市の道祖神は、ほんのわずかしか見ていないが、ここに取りあげる道祖神の脇にも五輪塔の残欠がある。塩田富士山にある日米神社の境内の道端に祀られている。ちゃんとした石垣の上に祀られているから、大事にされていることがわかる。もちろん主神は自然石だが、その舞台の脇に五輪塔の残欠がある。五輪塔残欠らしきものは、塩田平には幾例かあるようだ。
自然石は頭部はだいぶ風化していて、手でいじれば剝がれてしまいそうな部分も見えるが、最近剥がされたという痕跡もなく、この状態で長年維持されてきているようにも見える。掛けられている注連縄は、最近のものではない。
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