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ある「常会」の記録より㉞

2024-11-24 23:44:47 | 地域から学ぶ

ある「常会」の記録より㉝より

 なぜか平成23年の記録が見当たらない。ということで、平成24年の記録簿を紐解く。

 元旦のお日待ちでは前年の事業報告と会計報告、そして会計監査報告が行われた。会計報告の中で「常会預金の支出が収入を上回っている状況が続き、現時点で赤字決算となっている、今後考慮願うとの報告あり」と記されている。ところがこの書き込みのうち、「現時点で赤字決算となっている」が見え消しで削除されている。報告したところ異論があって消されたのか、それともほかの理由かは定かではない。

 加えて当日の書き込みの中にお日待ち後の新年会について、「折詰については23年度より常会長、副常会長の奥様出席分も含む」とある。裏を返せばそれまでは奥様の分は無かったということになる。この常会では、新年会のお手伝いとして、正副常会長の奥さんが燗づけの手伝いで参加していた。言ってみれば折詰で宴会をする程度のものだから、参加している者が自らすれば良いことを、わざわざ奥さんを手伝いに出させている、いわゆる封建社会と言っても差し支えない慣例だったわけである。この意識はとりわけ地方の地域社会では今もって残る意識でもある。

 7月22日の集金常会において、再び会計より「常会預金目減りの件、ご一考を願う」という提案が記録されているが、とくに詳細はない。この年の会計担当は、支出が多いことへの危機感を持っているようで、度々このことについて検討するようにと問いかけているが、常会内には赤字になっても懇親会を、という意識があったようだ。盆野球では8月15日、16日と2日がかりの慰労会を実施している。

 8月27日の集金常会では秋季祭典についての報告が区会よりあり、氏子青年減少により神輿の担ぎ手がいないので、友人や親戚関係へ呼びかけるよう促している。

 9月27日の集金常会では常会所東側のカーテンを婦人部で洗濯したものの、使用不可能だという報告があり、検討した結果無くても良いとして取り付けないと決定している。常会所のためにしている預金ではあるが、前述したように支出が収入を上回っているという。慰労会などの懇親会を減らす術はないいっぽう、常会所には金銭を使いたくない、という意識があるのではないか、という印象を受ける。

続く


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