月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

“ちえの木の実”のはなし

2016年01月09日 16時33分34秒 | ふうわりふわり(坊守日記)


そこは

明るくあたたかい雰囲気のお店でした

気ままに棚から絵本を選び

手にとります

手に馴染み、目に馴染み、心に馴染む

そんな絵本をみつけると

心臓が、とんとんとんとん

知らせてくれます

そうやって

時間を忘れてゆっくり本棚を見て回りました


ちいさな自転車に乗った兄弟がお店にやって来ました

お店番のおねえさんがその子の名前を呼んで、親しげに挨拶をしているところをみると

ちいさな常連さんなのでしょう

弟くんは座り込んで絵本を読み始め

お兄ちゃんは図書カードで厚い本を買っていました

「このつづきはまたこんどかいます」

「はぁい、たのしんでよんでくださいね」

子どもとおねえさんのやり取りがほんわかとあたたかくて

つい、私もおねえさんに話しかけてみたくなりました

「あの…探している本があるのですが…」

おねえさんは私のはなしをゆっくり聞いてくださって

「それなら…」

と、まっすぐに本棚に向かい、緑色の本を取り、私の手に乗せてくださいました

それは装丁の美しい本でした

本のことを話してくださるおねえさんの笑顔はとてもあたたかくて

いろいろ話をしているうちに

ほかにも何冊か選んでくださいました

プレゼントしたい本

ずっと探している本

今の私にしっくりくる本

何度も読み返したい本

カウンターでゆっくり頁を開く…

やさしいひとときでした


また行きたいお店です…“ちえの木の実”