月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

丁寧問答

2011年06月08日 20時53分12秒 | 仏々相念(住職日記)

久しぶり~・・・

 

夕方、ニコニコさんのボンネット開けてゴソゴソしていました。

部品を取りに庫裏に戻り駐車場に帰ってみると問答さんがいるではありませんか!

「お~、久しぶり!元気にしていましたか?Yちゃん!」

「なんでいっつもそんなに敬語なん?」

「Yちゃんね、言葉はきれいに使った方がいいと思うよ。」

「嫌よ、きれいな言葉を使ったら「死ね!死ね!」攻撃ができんやん!」

「何?死ね死ね攻撃?何それ・・・」

「「死ねや!」って嫌いな子に言うんで!」

「それは止めた方がいいことない?本当に死んでしもうたらどうする?辛いと思うで・・・Yちゃんだって「死ね」って言われたら辛いやろ!」

「止めんよ!だってお母さんも直ぐに「死ねや」って言うから慣れとるもん」

「帰ったらお母さんに言っといて、お寺のオジサンが「止めた方がいいって言ってたよ」って」

「多分、止めんよ・・・」

久しぶりに会ったというのに切ない問答になりました。

 

やっぱり言葉というものはきれいに使った方がいいですね・・・

私が言ってもあまり重みもないのですが、一歩外に出るときれいな言葉で接しようと心掛けています。

私の恩師が私にそうして下さったように、どんなに人生の先輩であろうと後輩であろうと子どもであろうと・・・

同じ接し方をしているつもりです。

 

ただ・・・

心の中は恐ろしく、先輩であろうと後輩であろうと子どもであろうとYちゃん顔負けの言葉を積み上げているのです。

私の物差しに会わない人を皆・・・恐ろしいことです。

そんな心を引っさげてきれいな言葉云々、って言っているのですから・・・

 

今日のニュースで被災地で診療所をされている医師の特集をされていました。

カルテも何もかも流されてしまいましたが、顔を見ながらの診療が続いているとのこと・・・

絶大なる信頼です、「この先生に任せとったらいいんです!」って皆さんがおっしゃいます。

「先生の顔を見たらそれだけで安心するんです・・・」

若いのに凄いお方だな~って思いながら見ていました。

こんなお医者さんがいたら本当にいいだろうな~・・・

 

お医者さんっていう職業もこうあってほしいですね。

最近では、お医者さんにもキツイ方がおられるみたいで、患者さんは痛い身体を引っさげて行っているのに心にも傷を負って帰るのですから・・・

近くの医院にもそういうお医者さんがおられました、私は診てもらったことがなかったのですが・・・

立派な設備をされていたそうですが潰れてしまっています。

喝を入れて元気を出させるという方法もあるのでしょうが、やっぱり寄り添いながら診ていただきたいですよね・・・

 

僧侶はどうなんでしょう・・・

心の中の蛇蠍そのまんまに、ご門徒の疲れ切った心身に鞭を打つような接し方をされるのか・・・

心の中には蛇蠍を抱えながらも善人面して偽りの優しさを振り撒くような接し方をされるのか・・・

或いは、心の中の優しさが滲み出るような温かい接し方をされるのか・・・

 

すいません、私は心の中に蛇蠍を抱えながらも外面を飾り生きて行きます・・・恐ろしいことです。

どこまでも心の中の蛇蠍が可愛くて仕方がないものですから「いい人」を演じます、どこまでも演じようと思います。

がしかし、この分厚い面の皮を何時その蛇蠍が食い破るか分かりません・・・

偶に蛇蠍が食い破っている方に出会いますが、醜い姿であります。

こうなるのか・・・って、自らの姿と見せていただくことです。

 

「おっちゃん、もう帰るね・・・」

「えっ、もう帰るん?今日は早いね!気をつけてお帰りよ!」

「じゃ~ね!バイバイ!」

背中には小さいリュックサックを背負っていました。

あ~、塾に行くんだな~・・・4年生になると忙しくなるんだな~・・・

いえいえ、私の恐ろしさが見えていたのかもしれません・・・


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