1か月前にお断りした投資物件。
じゃが、営業マン、その上司の課長、
またその上の支店長は諦めてなかった。
外堀を埋め、内堀も埋めにかかって
ワシもいったん断った話なんで
聞く耳を持つべきじゃなかった。
金融機関のやり手支店長まで
ワシと面談させ、徐々に壁を
低くして迫って来た。
それが、どこの会社でもやり口なのは
分かっとっても錯覚を覚えさせる、
そして何より『小金持ち』を
『大金持ち』かのように仕立て上げ
その虚栄心をくすぐる営業作法。
どっこい! ワシには周りが見えとった。
裸の王様にはなりとうなかった。
1か月前にもお断りした物件、
本日、心残りがないように
完全にお断りした。
今日、営業マンから念押しの
電話がかかって来るだろうとは
予想がついとった。
掛かって来る前にこちらから先手を打った。
営業マンは更に有利な情報を持って
それを伝えに来訪の予定じゃったらしい。
億単位の物件で、ワシにとっては2度目。
相手にはそんな金額は当たり前かもしれんが
この年になって更に冒険する金額じゃない、
そう感じてお断りした。
殆ど決まると、カゴに入れたつもりじゃった
営業マンの失望は、手に取るようじゃった。
お断りする方もつらいのよ。