ひと筆めぐり 【新発見・再発見・摩訶不思議・唯一無二】への楽しみ…

地域に息づく歴史のひと幕にふれ、…遥かなる往時に思いを馳せる

層塔(五重層塔)

2020-04-10 | 石仏
層塔(五重層塔) 盛光寺 園部町大河内
【逓減率は0.95】

盛光寺(せいこうじ)の本堂境内、薬医門左側に三界萬霊碑と並んで建っている。『層塔(五重層塔)』を紹介します。
塔身の各部には「如来仏」が彫られている。基礎部の格狭間には室町期(1336~1573)の蓮華が刻まれていところから、室町末期頃の作であろう。各部欠損は無く完璧な園部町の石の文化財の一つである。【 総高165㎝ 相輪高40㎝ 笠高75㎝ 塔身25㎝ 基礎台25㎝ 】
石材は地元の花崗岩を使い薬研彫りで、四面に仏を彫るが尊名までは…難しい、印相からして大日如来のみ判明するが、他は?…。
境内地に大日如来と銘が入った手水舎があり。又大日如来仏の石仏も安置され、地元の信仰心が篤く、この仏には¨よだれ掛け¨がいく重にもかかっている。
層塔は平面が方形(四角形)で、層数五層。この塔の逓減率は0.95のようです。逓減率(ていげんりつ)は層塔をつくる上で大切なもので、層の笠は上に行く程横幅が小さく造ることでバランスの取れた塔(黄金比)になるのです。初層の横幅は34cmですので、2層目は34×0.95=32.3となり順に上層に上がる。塔には必ず逓減の言葉が出てきます。(逓減とはだんだん減ると言う意味です)知ると、分かると面白い……。


<層塔には三・五・七・九・十三重層塔がありますが、すべて奇数の数でつくられる>
<よく見てください、印相に注意! 智拳印は金剛界の大日如来!>
<本堂の扁額には盛光禅寺、見事な書体>