日々是好日

今日も晴天なり。
どんな日でも、毎日は新鮮で最高にいい日だと思うことにしてます。
ご一緒に如何ですか?

テレビ時代、到来前のことです。

2017-08-30 00:00:00 | シニアライフ

まだ、テレビが無かった時代です。

1957年やっと我が家にラジオが購入されました。

昭和30年代当初の頃です。

まだまだ、みんな貧しい時代です。

山里深い農村では、ラジオから流れる歌声が唯一の娯楽でした。

その中で私の一番のお気に入りはラジオドラマです。

まだ小学生高学年の頃です。外ではガキ大将でした。

何故か、このラジオドラマが始まると、

素直です。ラジオを独り占めにして、その傍から離れません。

そのラジオドラマの放送時間帯が我が家の夕食時間帯です。

ラジオを聴きながらの食事は、大家族では厳禁です。

私は8人兄弟の中で育ちました。

5男坊のガキ大将だけ認めて貰えるわけがありません。

でも、一週間に一度だけ、夕食を絶ってラジオ放送に夢中になってました。

今の時代のような便利な録音装置は備わってません。

ラジオ放送、そのものを欠かさずに聞く事しかありません。

それほど夢中にさせたラジオドラマは

ラジオ東京が1957年9月から放送開始したラジオドラマ

「赤胴鈴之助」です。

吉永小百合や山東明子が子役や語り手で出演しておりました。

「猪口才な小僧、名をなのれ!」

「赤胴鈴之助だ!」

剣はとっては 日本一に 夢は大きな少年剣士

元気いっぱい 一度や二度 のな笑顔

失敗なんかや くじけない オー!

がんばれ 強いぞ 僕らの仲間

赤胴鈴之助

どれほど、勇気を頂いたことやら、計り知れません。

このラジオドラマの放送時間は30分。

毎週水曜日18:15~18:45分です。

その時間帯で大家族の夕食は終わってしまいます。

厳しい躾の親父の元、母親は食後の片づけを否応なく進めざるを得ません。

5男坊の我儘を見過ごすわけには行かないのです。

母親に代わって、祖母が大きなお握りを作ってくれてます。

中に大きな自家製の梅干しを入れ、そして周りに味噌を塗ってあります。

それが毎週のことです。長く続きました。

祖母の行為に誰も文句が出ません。

今思い出すと、あのお握りの味ともに大粒の涙が伴います。

「なして? 飯も食わずに、そんなの好きだべェ?」

祖母の笑顔に、自分の感情を伝える事すら出来ずに過ごしていた頃のことです。

全て、懐かしさにとって代わります。そんな素敵なラジオドラマです。

カラオケボックスで「赤胴鈴之助」を選曲しました。

子供のときに覚えたものが、頭の隅っこに、ちゃんと健在してました。

何十年前の家族団らんのひと時が蘇ってきました。

 

 

 

 

 


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