「もしも科学が、知識のための知識を積み重ねることに現を抜かすとすれば、科学はとんでもない化け物にされ、ある日、科学者のあげる歓声が、宇宙を揺るがす恐怖の叫びとなって跳ね返ってこないとも限らない。」
「ガリレイの生涯」は2つある。
ギリシャの誰かの作と、
台本作者ブレヒトの作と。
上のガリレイの台詞は、
ブレヒトによる。その邦訳の引用。
なかなか上手い訳だと思うわ。
手元に本がないので、記憶のまま。
実際の文とは少し違うかもしれない。
にしても……
昨今の科学の成果を見るにつけ、
どうしても、この台詞を
思ってしまうわ。
「現を抜かす」は、文字通り
現実を抜かす。夢中になって、
リアルを忘れる。
出来るがしないことがある。
やれるがやらないことがある。
これが分かるかどうかが、
人と人類との境界線ですね。